アサヒ飲料が導入した「2年目リフレクション研修」、その狙いと内容とは?
■ 抱えていた課題 同社は設立後、決して順風満帆だったわけではなく、2000年前後は赤字続きの時期もあった。こうした苦しい時期を経験してきた会社だからこそ、健全な危機意識を持っている。その危機意識の強さから、近年は変わり続ける環境にうまく適応し、事業を伸張させてきた。 一方で、組織に目を向けると、ミドル層の社員が多く、40代以上が60%以上を占めているといういびつさもあった。その中でも、管理職に上がれなかったミドル層の中には、モチベーションが高くない方も少なからず存在した。 やる気に満ちあふれて入社してきた新入社員も3~4年が経つと、こうしたミドル層からネガティブな影響を受け、徐々に意欲が減退してしまうという例もあった。こうした流れを断ち切るために、社内ではオンボーディング強化の必要性が叫ばれるようになった。 また、入社してくる人材の傾向にも変化が見られるようになっていた。同社はここ数年、採用人気ランキングの上位に位置していることもあり、入社してくる人材の学歴が高くなっていた。 学歴が高い人材が集まるのは決して悪いことではないが、なかなか挑戦する風土醸成ができていないという課題があった。人事部門としてはいま一度、解のない問いに答えを創り出すことのできる、「世の中を変えてやろう」といったような志を持った人材を増やしていきたいという思いがあった。 ■ 2年目リフレクション研修を実施 こうした課題を解決するため、同社が導入したのが「2年目リフレクション研修」である。新入社員が2年目を迎える時期は、1年目の時は世話をしてくれたブラザーシスターが離れるタイミングで、どうしても不安が高まりがちであった。2年目を目前にした新入社員は、「まだまだ、できないことばかりだ」「こんな状態で独り立ちできるだろうか」という不安を抱えている。 いわゆるPower不足に悩んでいる状態である。2年目リフレクション研修は、こうした新入社員を、できないことばかりに目を向けるのではなく、自分でモチベーションを立て直すことができる状態へと導き、「自己への期待」+「殻を破る挑戦」ができるマインドセットをすることを目的としている。 リンクアンドモチベーションが支援した本研修のコンテンツの要点を紹介したい。