機能的なレインウェアの発明家、フランスの国民的ブランド「ケーウェイ(K-WAY)」の歴史と見据える未来
パリの雨の日は、“K-WAY”のロゴ入りレインウェアを着た人々でにぎわう。1965年にパリで誕生した「ケーウェイ(K-WAY)」は、フランスとイタリアでレインウェアの代名詞となっている。 機能性とデザイン性を兼ね備えた多彩なカラーのナイロンジャケットが特徴で、創業者レオン・クロード・デュアメルの「コンパクトで防水性の高いおしゃれなデザイン」という理念が世界中で支持されている。 近年では、ミラノ・ファッション・ウィークでの発表や有名ブランドとのコラボレーションにより、ファッションブランドとしても注目を集めている。日本では2022年に渋谷に旗艦店をオープンし、限定商品も展開している。 2004年に一度倒産したが、BasicNet SpAが事業を引き継ぎ再起。今回は、BasicNet SpA取締役兼ケーウェイCEOのロレンツォ・ボリオーニに、ブランドの魅力や歴史、日本市場での展開について話を聞いた。
60年にわたり、人気を誇る理由
ーフランスの国民的ブランドである「ケーウェイ」。約60年もの長い間、これだけの人気を誇る最大の理由は何でしょうか? 歴史を振り返ると、「ケーウェイ」は単なるブランドではなく、発明家であることが分かります。創設当時の60年代に、スポーティなレインウェアを生み出したのが「ケーウェイ」です。つまり、アイテムというよりもカテゴリーそのものを開拓したということ。当時市場に出回る唯一の選択肢で、誰もがレジャージャケットと呼び始めました。
非常にユニークなアイテムを展開するブランドとなり、レインウェア自体が「ケーウェイ」という呼び方になったのです。フランスとイタリアでは、「雨が降るから『ケーウェイ』を持っていこう」と言えば、誰もがそれをレインジャケットやウィンドブレーカーであると認識するんです。 さらに、フランス語とイタリア語の辞書には、このブランド名がレインウェアの代名詞として掲載されているんですよ。手頃な価格で展開されていたこともあり、ビジネス的にも非常に成功し、人気が高まって国民的なブランドへと成長しました。