大阪府・吉村知事が定例会見8月4日(全文4完)ワクチンの重症化予防効果はかなり高い
将来的にワクチン接種義務化の議論は必要か
大阪日日新聞:ありがとうございます。もう1点、ワクチン全般についてお聞きしたいんですけれども、ファイザー、モデルナも含めまして、今、国内では接種につきましては予防接種法が適用されて、ご本人の努力義務というふうな形になっているかと思うんですけれども、海外のほうでは一定接種が進みますと頭打ちになるというふうなことも聞くんですが、国内でのこの接種につきましては、基本的にはやはりご本人の意思が尊重されるべきというお考えなのか、将来的に国内でも、例えば海外でも義務化の動きが少し出てきているようなんですけれども、国内でも将来的にワクチン接種につきまして、義務化の議論というのが必要になってくるかという、その辺り知事のお考えを伺えますでしょうか。 吉村:僕はワクチンについての考え方っていうのをいったんきちっと戦略を立てるべきだと思っています。今やってて、今時点の僕の考え方ですけども、ワクチンを広げたからといって感染の急拡大が抑えられることは僕はないと思っています。集団免疫が得られることもないんではないかというふうに思っています。もちろんこういった変異株も新たに出てきますし、20代、30代は若い方がワクチンを全員受けるとはやっぱり思えません。 もちろん接種は広げていきますよ。お願いしますっていう形で、やってくださいってやりますけれども、やっぱり打つ・打たないは先ほど申し上げたとおり義務化しない限りは、これは自由です。判断。日本で義務化なんて絶対できないと思うので、これだけ個人の私権制限すら、つまり外出自粛とかそういったことすらようやらない、今、日本の国会議員の、国家の判断レベルで、体にワクチンを接種するというのを義務化するなんていうのは、それは絶対に無理だろうというふうには思います。
重症化予防効果を重視する戦略を採るべき
じゃあその中でワクチンについてどう考えるかっていったら、僕はやっぱり重症化を予防する効果、これは非常に高いので、ここをまず重視する戦略を採るべきだと思っています。つまり65歳以上のワクチン接種がほぼ8割終わってますけど、結果どうなったかっていうと、第4波と比較して明らかなんですけど、ほとんど高齢者の、今のところ陽性者というのは極めて少ないし、重症者もほとんど出ていないと。もちろん出るんですけれども、極めて効果が高いです、やっぱりこれを見ていると。 今40代、50代で重症化する例というのは、やっぱり出ています。日々、大阪府でも発表していますから、皆さんも個票を見ていただいていると思うので、重症化の欄を見たらだいたい40代、50代が多い。60代でも打ってない、61歳から64歳まで打てていない人が多いので、ちょっと60代というくくりになっちゃってるんですけど、やっぱりそこの重症化が多いと。逆に言うと70代以上の重症化って極めて少なくなってきている。 そう考えると、このワクチンっていうのは結局まず重症化予防に、より集中して実行していく、ここが重要ではないかと思っています。40代、50代に今の65歳以上と同じぐらい行き渡れば、重症化するリスクというのが極めて下がってくるとなると、重症化するリスクが減るっていうことは、その重症化の一歩手前の中等症IIとか、そういったところまで下がってきます。つまり入院リスクが下がってくると。医療逼迫っていうのが極めて少ない可能性が低くなってくることになります。 今、入院しているのも多いのは40代、50代とか、基礎疾患がある方なので、そういった方にまず接種するっていうのを1つの出口というか、方向性として考えるべきで、そのあとはもう陽性者数に一喜一憂するんではなくて、いかにこのコロナと共存していくのかを考えていくべきではないのかなと、そういうふうに思います。 結局は、だから医療の負担を、今も東京、首都圏でああいう議論が出たり、大阪でも第4波を見てもやっぱり結局医療が逼迫するので、医療のキャパを広げていくのは、これはまだやっているわけですけれども、日本の医療のシステムとか、その中で1年以上やってきて今のこの実力です。