なぜ“浪速のロッキー”ジュニア赤井英五郎はプロデビュー戦で144秒TKO負けを喫したのか…父が息子へ熱く語ったエールとは?
プロボクシングの東日本新人王ミドル級予選4回戦が11日、東京の後楽園ホールで行われ、かつて “浪速のロッキー”と呼ばれ世界挑戦経験もある俳優の赤井英和さん(62)の長男、英五郎(26、帝拳)がプロデビュー戦のリングに立ち同じくデビュー戦だった岡村弥徳(23、八王子中屋)の連打を浴びて1回2分24秒TKO負けを喫した。緊張からかガードも甘く、先手を奪われ一発で相手を下がらせた強烈な左フックにポテンシャルの一端を見せながらも悔しい結果となった。試合後、リングサイドで見守った父の英和さんは「ここから挽回できる。20連勝すればいい」と熱いエールを送った。
「あっという間で(敗戦の)現実味がない」
何もできなかった。 ダウンはなく、父譲りの甘いマスクに腫れも傷もなかったが、プロデビュー戦は、わずか144秒でTKO負けを宣告されての完敗だった。 「あっという間で…まだもう少し試合をしたかった。でもレフェリーが試合を止めたら終わりなんで仕方がない。残念です。やりたいこともできなかったし、一瞬で、まだ(敗戦の)現実味がない」 後楽園ホールのエレベーター前に置かれたパイプ椅子に座った赤井英五郎は、言葉の端々に悔しさをにじませた。 ゴングと同時にガードを固めて左フックを思い切り振った。前へ出る。ムキムキの筋肉に覆われたパワーを生かした超好戦的な父同様の「どついたるねん」スタイルである。だが、緊張からか、単発で終わり手が出ない。 「もらいすぎた。特にジャブ。僕の一発に3発以上。ガードを意識して練習していたが、棒立ちになった。守ることばかりを考えすぎたのかもしれないですね。守りからオフェンスにつなげなければ勝てない。大きいのを狙いすぎたかもしれない」ところに岡村がパンチを洪水のように連打してくる。 左を突きコーナーに詰めようとしたが、不用意にガードが下がり右フックをクリーンヒットされた。続けて左のパンチも浴び、父譲りのハートに火がついた。 ショートの左フックを的中させ右を放った。それは空を切ったが、続けて左フックをドスン。岡村がひるみクリンチで回避しなければならないほどの威力を見せたが、起死回生の一撃とはいかなかった。