ネットで賛否…RIZIN大晦日大会で決まった朝倉未来と斎藤裕の1年越しのリベンジマッチは無謀なマッチメイクなのか?
朝倉の1000万円企画に応募。最終オーデションで落選したボクシングの元スーパーウェルター級の日本、OPBF東洋太平洋、IBFアジアの“3冠王者”だった細川貴之は、「現役時代に12針を縫うほど目の上を切ったことがあるが、2か月もあれば傷口は完全に塞がった。今回も2か月あるので試合に問題はないと思う。ただ実戦練習は抜糸をするまでの2、3週間ほどはできない。ボクシングと総合を同じ尺度では測れないが、その影響がどう出るか。また朝倉が痛めたという左膝の状態は本人にしかわからない問題。ボクシングの場合は王者側なら無理して世界戦はやらないが、挑戦者ならばやる。リベンジ戦だし朝倉が挑戦者の気持ちでいるということかも。いずれにしろ1000万円企画でオレとやっていたら、朝倉を倒していますけどね(笑)」と解説した。 ちなみに細川は、Youtubeのコラボ企画で朝倉が1000万円企画の対戦相手に選ばなかった147キロの巨漢の元ラガーマンのノッコン寺田こと寺田幸司氏と日本在住のポーランド人で自称「MMAポーランド2位」の経験がある長身のホイナツキ・パヴェウと1分×2ラウンドのMMAルール、ボクシングルールでそれぞれ対戦した。細川が朝倉にストリートファイトで勝てるかどうかは甚だ疑問だが、指摘だけは的を射ているのかもしれない。 さて肝心の試合の展望である。 朝倉は、斎藤ー牛久戦の感想を「レベルの高い試合。斎藤選手が終始押していたと思うんですけど、カットで負けたということでもう1回やったらわからない。実力的には斎藤選手の方が上なんじゃないか」と語り、「前回の試合も含めてすごく研究してきた。相手が希望するような試合にはならない」と控えめに続けて、こう宣言した。 「1本勝ちしたい」 グラウンド勝負? 実は、前回の試合後も「次は寝技で勝負したい」とも語っていた。 勝利への根拠はある。 「斎藤選手と1年前にやったときは朝のスパーリングのみしかやってなくて、そこから格闘技の厳しさを教えてもらった。ラントレだったりウエイトトレだったりを始めて格闘技と向き合ってすごく成長してる部分が自分でわかる。その試験。試す場所」 クレベル戦の後に元K-1王者、魔裟斗氏の助言を受けて、その魔裟斗氏やボクシングの元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏らのフィジカルトレをサポートした土居進トレーナーら各分野のスペシャリストのもとで本格トレーニングに取り組み始めた。1年前の自分とは違うという自負は、その辛い日々からくる。 土居トレーナーは進化の部分をこう説明した。 「初めて朝倉選手と接してわかったのは、いろいろと批判を浴びて誤解を受けているが、強い奴と戦いたい、負けた2人にリベンジを果たしたいという格闘家としての純粋な気持ちを強く持っているファイターだということ。その気持ちがあるからこそ、なぜ何のためにトレーニングをするのかという意識改革ができた。やらされるのではなく自分で理解してやる。まだ数か月で、何がどう進化したかと言える段階にはないが、2年後、3年後に最強のファイターの肉体を手にするために一番大事な土台の部分ができつつある」 その端的な例が「1日、懸垂100回」のノルマを地道にやっていることだという。那須川天心とコラボしたYoutubeでポロっと漏らした言葉を伝え聞き”鬼トレーナー”は意識改革を感じ取った。