「極度の運動オンチ」だと思っていたら“発達性協調運動障害”だった 診断に辿り着くまでの小学生息子と母の苦悩
■「字は100回練習してもうまくならない」と言われて自覚 ――ウノくんが小学4年生のときに、たまたまX(当時のTwitter)でDCDのことを知ったんですよね。 当時は運動面の発達障害があるんだったら、まさにそれなんじゃないか……と思っていて、発達障害についてよく検索していたんです。その流れで、知人のライターさんがDCDについて発信しているのを偶然見つけました。「ボール投げやなわとびが苦手」「字が下手」「箸の食べこぼし」といった典型的な症状があげられていて、「これだ!」とピンときました。すぐに学校の保健の先生に相談しようと思い、まずはお手紙を書きました。 ――学校の保健の先生にまず相談してみたんですね。 DCDをご存じかどうか分からず、手紙で聞いてみたところ、「知っていますよ」と答えてくださいました。小学校から多くの子が通う発達外来を紹介していただき、そこでDCDがご専門の小児科医である古荘純一先生に出会うことができたんです。 ――診断がつくまでに、どのような検査をしましたか。 DCD自体は問診だけで、診断がつくようです。ただADHD(※1)などの発達障害との併発がよくあるため、その確認のためにWISC検査(※2)を先にしました。問診では、「ボタンがはめられない」、「靴紐がうまく結べない」といった項目を確認していきました。 息子がDCDと診断され、先生から「字は100回練習したって、うまくなりません。スパルタは無意味です」とはっきりと言われたときには…ショックでしたね。でも、DCDは治らないと自覚できたことで、考え方を変えようという決意につながりました。 ※1 注意欠如・多動性障害 ※2 子どもの知能を測定するための検査 ――他にはどんなアドバイスがありましたか。 「学校に診断結果を持っていき、合理的配慮をしてもらってください」とアドバイスをもらいました。「合理的配慮」とは、障害の特性に合わせてほかの子どもと同じように生活できるように必要な調整を行うことです。ウノの場合は、黒板の板書きが間に合わない場合はタブレットで撮影する、使いやすい文具に変えるなどの配慮が必要になりそうでした。学校の先生方にDCDについて理解してもらうのに、おすすめの本も教えてもらいました。