日銀・黒田総裁会見12月18日(全文1)必要な時点まで金融緩和を継続
点検したい点を教えて
産経新聞:産経新聞の大柳です。2点ございます。1つは金融緩和の点検なんですけども、総裁、YCCもマイナス金利も枠組みは変更しないということなんですが、では各種施策を点検するということなのですが、今の時点でこれからということだとは思うのですが、こういうところを点検したいんだというものがあれば教えてください。これが1点目です。 2点目は特別プログラムなんですが、今回の延長によって、最初決めたときよりも1年長引くということなんですけれども、いわゆるゾンビ企業の話ですね。本来なら廃業すべき企業の延命措置になるんじゃないかという指摘がありますけれども、この辺りについてはあらためてどのようにお考えでしょうか。以上2点、お願いいたします。 黒田:まずは第1点につきましては、先ほど来申し上げているとおりでありまして、2%の物価安定目標を実現するために、より効果的、持続的な金融政策をもたらすために、現在行っている政策の点検を行うということでありますので、あくまでもいわゆる長短金利操作付き量的・質的金融緩和のフレームワークも変えませんし、2%の物価安定の目標その他のコミットメントも変えるつもりはまったくありません。
効果的な金融緩和ができるような点検を行いたい
ただ、その中で具体的な、いわゆるイールドカーブ・コントロールの運営の仕方であるとか、資産買い入れの方式などについて、これまでの経験、検討を踏まえてさらに必要な分析を行って、いっそうの改善、より効果的かつ持続できる運営というか、資産買い入れの仕方があればそういったものを忌憚なく検討して取り入れていきたいということであります。従いまして、何か現在の金融緩和を何か出口を探るとか、金融緩和を、なんて言うんですか、弱めるとかそういうつもりはまったくなくて、むしろより効果的に金融緩和ができるような点検を行っていきたいというふうに考えております。 それから特別プログラムの半年延長ですけれども、延長して今回、さらに半年延長する。さらにもし必要があれば、その後の延長も検討すると言っていますのは、やはりコロナウイルスの感染症の影響によって、一方で経済の供給面での制約も出ているとともに、他方で需要面での抑制というものも出ている。そういう中で企業の資金繰りその他、特別プログラムをやっているわけでありまして、これは今も必要だし、当面必要だろうということで、一部改善して半年延ばすということにしたわけであります。 こういうことによって何かゾンビ企業の延命を助けることになるんじゃないかという議論は私はまったく当たらないというふうに思っております。と申しますのは、これいずれも金融機関が中小企業等に貸し出す、それをバックファイナンスというか、日本銀行が有利な形で【(音飛び) 00:19:24】、あるいはCP・社債等、これも民間で発行されるというものについて、その購入を行うということで、あくまでも民間の金融仲介機能を助けるというものでありまして、ゾンビ企業を助けるということにはならないというふうに思っております。従いまして、今回、半年延長しましたし、必要があればさらなる延長も検討するということであります。