日銀・黒田総裁会見12月18日(全文3完)日本の株価はバブルではない
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の18日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が記者会見(2020年12月18日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が記者会見(2020年12月18日) ◇ ◇
ドル安円高のリスクをどう見ているのか
NHK:総裁、NHKの【ナガノ 00:48:10】です。景気の先行きのリスクについて、まずお尋ねいたします。足元、ドル安という言い方のほうが適切なのかもしれませんが、為替市場では円高が進んでおります。このほど発表された日銀の短観を拝見しますと、想定為替レートは106円79銭ということで、やや水準には乖離があるというふうに見ております。今後、ドル安円高が景気、企業業績の悪化につながるような、そうしたリスクについてまずどのようにご覧になってらっしゃるのかっていうのが1点です。 あと2点目は、先ほどのETFに関連した質問なんですが、ETFの購入を日銀、中央銀行が始めてから10年の節目を迎えました。この間、ETFの購入については効果を評価する一方で、やはり中央銀行がリスク資産を買い入れるということに対する、その副作用を指摘する声もあります。巷間いわれているのは、中央銀行が日本ではGPIFを抜いて日本一の大株主になっているというような分析結果もあります。こうした中央銀行がETFを購入するということの、この10年間の総括と、あとバブルを招いているのではないかというような指摘もあるわけですけれども、そうした指摘にどのように答えられるのか、この会見でも議論はされているかと思いますけれども、あらためてお伺いさせていただければと思います。よろしくお願いします。 黒田:為替レートの動向っていうのは常に中央銀行として注視しておりますけれども、為替政策自体は、日本でも米国でも欧州でも財務省の仕事でありまして、為替について何か具体的なことを申し上げるというのは差し控えたいと思いますが、ご指摘のように今起こっていることは、実はドルも円もほとんどの通貨に対して弱くなっているんですね。ただ、ドルの弱くなり方のほうが円の弱くなり方よりもちょっと強いので、狭いレンジではありますけれども、若干円高が進んでいるということでありまして、今の時点で何か、これについて強く懸念するというような、あるいは景気に何か重大な影響があるというふうに考える必要はないと思いますが、為替レートっていうのはいろんな要因で動きますので、引き続きその景気や物価に対する影響というものは注意していきたいというふうに思っております。