日銀・黒田総裁会見12月18日(全文1)必要な時点まで金融緩和を継続
気候変動を意識した取り組みを考える余地は?
ロイター:ロイター通信の木原と申します。2点あります。今回の金融緩和の点検というのは、ECBやFedのようなレビューと近いようなものになるのか、あるいはもう少し伺っていると運営の仕方、買い方の工夫といったオペとか買い入れのペースの調整のような、ファインチューニング的なもののようにも聞こえるんですが、どちらにより性質が近いものなのかっていう点が1点目です。 あとすいません。ちょっと今日の決定と少し離れてしまうんですが、最近、菅総理が脱炭素社会の実現を目指すとか、あと、ほかの中銀でもESGの考え方を政策のガイドラインに入れていこうという、いろんな気候変動を巡る取り組みが高まっているんですが、来年これがやっぱり大きなテーマになる中で、日銀としてこういう気候変動、環境を意識した何か取り組み、考える余地があるのか、その辺をお願いします。 黒田:ご案内のとおり、先ほども申し上げたとおり、日本銀行は実は2016年9月に総括的検証っていうものを行いまして、金融緩和のフレームワークの見直しをして、より効果的な仕組みにしたわけであります。そして【長短金利操作付き量的・質的金融緩和 00:21:50】フレームワークを導入したわけですね。で、その後の状況を見る限り、こういった基本的なフレームワークは十分機能しているというふうに思いますけれども、先ほど来申し上げているとおり、このコロナ感染症の影響などもありまして、2%の物価安定目標の達成がやや遅れる可能性があるということは、こういった金融緩和措置がさらに長く続けられるということですので、そうした下で副作用があるんじゃないかとか、そういう、もちろんイールドカーブ・コントロール自体、そういった副作用も考えつつやるということであるんですけども、そういうことも踏まえて長短金利操作付き量的・質的金融緩和のフレームワークは変える必要がないし、2%の物価安定目標の実現に向けていろいろコミットメントをしている、これも変える必要はないんですけども、おっしゃるようにそういった下でさまざまな資産買い入れとか、イールドカーブ・コントロールの運営についても十分点検して、より効果的、持続可能なものにするという観点から点検していきたいということ。 もちろんFRBが政策のフレームワークをレビューし、ECBも今レビューしていますので、そういったことの情報は十分得ていくつもりですけども、そういうものというよりも、おっしゃったようなものだというふうにお考えいただいたほうがいいと思います。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見12月18日 全文2へ続く