浦和レッズ”18歳の秘密兵器”GK鈴木彩艶がベールを脱ぐ…ルヴァン杯で無失点デビュー
アメリカで生まれ、さいたま市で育った鈴木は幼稚園からサッカーをはじめ、小学生年代からはゴールキーパーひと筋でプレー。5年生のときに浦和のジュニアに入団して以来、ジュニアユース、ユースと昇格し、2019年2月1日に16歳5ヵ月11日でプロ契約を結んだ。 その後もプロ選手のままユースに所属し、2019年8月からはトップチームに2種登録された。形の上では今シーズンにユースから昇格したルーキーとなり、1月の新体制発表にも新加入選手の一人として登壇したが、鈴木本人は浦和での公式戦デビューが今シーズンになった悔しさを抱いている。 「ずっと悔しい思いをしながらも、まずはひとつ出る、出たらしっかりとプレーするために積み重ねてきたものが、今日の試合に出るという形で回ってきました。ひとつ出られたことは次につながると思っていますけど、試合に出るだけでは意味がなく、試合に出続けなければいけない。なので、これからが大事になってくると思っています」 浦和のゴールマウスには日本代表として国際Aマッチ31試合に出場した経験をもち、昨シーズンはキャプテンを務めた34歳のベテラン、西川周作が君臨している。憧憬の思いを抱き続けてきた大先輩は、2021年3月2日を境に追いつき、追い越すべきライバルへはっきりと変わった。 「小学校5年生で加入したときから、日本で一番のクラブでなければいけない、という浦和レッズの重みを感じながらプレーしてきました。今日は決定的な場面をあまり作られなかった点で、味方の選手たちに感謝しています。次からは自分の特長である、ゴールにつながるパスでもっとチャンスを作っていきたい」 浦和の歴代ゴールキーパーのなかで最年少となる、18歳6ヵ月9日での公式戦デビューはもちろん通過点。少年時代から情熱のすべてを捧げてきた浦和の、そして日本を代表する守護神を拝命するための挑戦を、類稀なポテンシャルを解き放ちながら鈴木は一気に加速させていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)