「命が惜しければやめなさい」出会い系SNSを甘く見る日本の若者、豪州との決定的な違い
SNSの世界は、教師や親、親友なども知り得ることがないため、性犯罪は潜在化しやすく、発覚が遅れやすいという問題もあります。 警察や学校でも、被害の未然防止に向けて、子どもと保護者との間でSNSの利用に関するルールを適切に定め、何かが起きたときの対応を事前に話し合っておくことが重要だという指導を行ってはいます。しかし、親や教師より子どもの方がSNSの使い方を熟知していてなかなか発見できない、いやうまくごまかされていることが多い、ということにも気付くべきです。 ● 高校生の4人に1人がSNSで知り合った 見知らぬ相手と会っている 2023年6月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した高校生300名、高校生の子を持つ保護者300名のネットモニターを対象に実施したアンケート調査の結果によると、(1)SNSを利用している高校生は81.7%、SNSを利用していない高校生は18.3%。性別で見ると、「SNSを利用している」と回答したのは男子74.0%、女子89.3%であり、女子の方が多くなっています。 そして、「SNSを利用している」と回答した81.7%(n=245)に対し、SNSで見ず知らずの人から性的なコメントやメッセージが届いた経験について尋ねたところ、61.2%は「今までにまったくない(0回)」でしたが、「少しある(過去数回程度)」「それなりにある(過去10回程度)」「よくある(過去10回よりも多い)」と回答した割合の合計は31.0%であり、SNS利用者のおよそ3人に1人が何かしら性的なコメントやメッセージを受信した経験があることになります。 また、SNSで見ず知らずの人から性的な画像や動画が届いた経験について尋ねたところ、「今までにまったくない(0回)」が75.9%に対して、「少しある(過去数回程度)」「それなりにある(過去10回程度)」「よくある(過去10回よりも多い)」と回答した割合は15.9%であり、およそ6人に1人が性的な画像や動画を受信した経験がありました。 単に動画が送られてきたり、メッセージがきたりする程度ならいいのですが、実際には多くの子どもがSNS上で知り合った見ず知らずの人と会った経験があるのです。たとえば高校生のうち、64.9%が実際に相手と会ったことは「今までにまったくない(0回)」と回答したものの、「少しある(過去数回程度)」「それなりにある(過去10回程度)」「よくある(過去10回よりも多い)」と回答した割合は24.5%もあり、およそ4人に1人が相手と会っていることになります。 私は家庭教育や啓蒙活動くらいでこの被害がなくなる可能性は少なく、むしろこれから激増していくと思います。闇バイトで強盗や殺人を犯す若者をSNSで簡単に信じ、しかもそこから逃れる術を知らないケースが多すぎることからも、闇バイト参加者がさらに若年化することは必至です。一方、被害者の方も、今までのお金持ちの老人から幼児に発展するのは、目に見えています。その目的は人身売買のための誘拐です。