「命が惜しければやめなさい」出会い系SNSを甘く見る日本の若者、豪州との決定的な違い
● ストーカーから連れ去りまで 想像以上に深刻な子どもの被害 3.ストーカー被害 金銭やイジメで済むならまだしも、ストーカー被害に遭う可能性もあります。SNSにアップした写真から個人情報が特定され、住所などが拡散されてしまったり、ストーカー行為の被害に遭ったり、写真の瞳に映った景色から場所を特定されたり、住所や学校がわかってしまったりすることもあります。 4、連れ去りや性的な被害 ストーカー行為が講じると、連れ去りや性的な被害に発展することがあります。SNSで同じくらいの年齢だと思ってメッセージをやり取りしていたら、実は相手は大人で、実際に会いに行って連れ去られたり、性的な被害に遭ったりするケースもあります。 先日報道されましたが、オンライン上で知り合った相手に「裸の写真を交換しよう」と言われて送信してしまい、それをインターネット上にアップされるという事件もありました。 呑気に構えている保護者のみなさん、2021年の段階で、この種の事件は1812件も起きているのです。そのうち、児童買春・児童ポルノ禁止法に抵触したケースが993件、略取・誘拐や強制性交などの重要犯罪は141件です。ここ数年は年間2000件前後で、児童ポルノの被害児童の89パーセントは女の子です。 たとえば女子中学生が、SNSで知り合った男性モデルになりすました男に言葉巧みに誘導され、自分の裸の画像を送信させられた、あるいは女子高校生が、SNSで知り合った男性に誘い出され、わいせつな行為をされて撮影された上に「画像をインターネットに流す」などと脅された、などなど。 警察庁は、2024年中にSNSに起因する犯罪被害に遭った子どもの数は1732人で、2021年の1812人に比べ微減したものの、10年前(2012年)に比べ1.61倍となったと報告しています。 現状、日本では組織的な幼児相手の児童ポルノや買春はほとんどありませんが、海外ではさらに組織的な人身売買につながり、ディープサイトで売り買いされている例もあります。日本で猖獗(しょうけつ)を極めている「闇バイト」という組織犯罪が、児童相手のSNS誘拐などにいつでも発展する可能性があります。 また、友人や家族との関係や自分の身体・容姿に関する悩み、「寂しい」「死にたい」といった感情に関する投稿を見た大人のユーザーが、子どもの相談に乗るふりをして近づき、いつの間にか子どもが相手の性的な要求に応えてしまうといったケースもよくあることのようです。