「命が惜しければやめなさい」出会い系SNSを甘く見る日本の若者、豪州との決定的な違い
● 「16歳未満のSNS使用禁止」 に無関心な日本の親たちの危機 16歳未満のSNS使用を禁止したオーストラリアに私は大賛成ですが、意外にも日本のメディアや保護者はこのニュースに無関心だったようです。 11月末、オーストラリア議会でこの禁止法案が可決され、アルバジーニ首相がSNS運営会社各社に対応を要求しました。可決された法律は、SNSの運営会社に16歳未満の子どもが利用できないような措置を講じることを義務づけるもので、違反した場合は最大で4950万オーストラリアドル、日本円でおよそ49億円の罰金が科されます。 首相は、「SNSの運営会社が社会的な責任を果たすことを担保する、世界でも先進的な取り組みだ」と意義を強調しています。そして、国民のおよそ77%がこの法案に賛成しているのです。 翻って、日本ではメディアも国会もほとんど反応がありません。どうも、日本人の子どもがSNSで危険な目に遭っていることへの認識が足りないのではないかと思います。日本の現状も調べてみました。 まず、小学生までもがかなり被害を受けている事実に驚きました。 1.仲間外れやいじめ 一人の子をSNSのグループから除外したり悪口を書き込んだりしているうちに、内容がエスカレートすることがあります。それが原因で、学校でのいじめに発展するケースが少なくありません。また、予測変換で想定外の言葉を誤送信して相手を怒らせてしまうこともあるようです。被害に遭うだけではなく、軽い気持ちで投稿したことが相手を傷つけたり、追い詰めてしまったりするケースもあります。こうしたSNSの影響もあるためか、小学生の自殺は2023年度で13人(警察庁調べ)にのぼっています。 2.ゲームへの高額課金やワンクリック詐欺 子どもが無料のゲームで遊んでいるうちに、いつの間にか有料サイトに誘導されたり、保護者のアカウントでゲームをしていると、登録されているクレジットカード情報から決済が完了してしまい、気づかないうちに高額な課金をしてしまったりする被害もあります。何気なくクリックしたら料金を請求されるワンクリック詐欺で、性的な画像などをクリックしてしまった場合は特に保護者に相談することができず、被害が拡大することもあります。