閉経ってほんとは いつのこと? 「子宮を摘出したら閉経」は間違いだった!【我慢しないで快適に過ごす、閉経への道 ①】
改めて「閉経ってどうなること?」と聞かれると、口ごもってしまう人も多いはず。閉経までの「更年期前期」を制するものが勝ち、など、難しいこともわかりやすく説明してくれる産婦人科医、松峯寿美さんに伺った。
閉経までの道のりは、人によってさまざま。 トラブルや不安がある人も多く、それを我慢しないでどう対処していくか。これについて考えていくにあたり、まずは、閉経ってそもそもどういうこと? という疑問から考えてみた。
Q 閉経とは文字通り「月経がなくなること」?
「そうではあるんだけど、それには『ただし』がつくんです。手術も何もしていない自然の状態で月経がなくなったら、なのね。閉経するのはなぜかというと、老化とともに卵巣が働きを止めてしまうから。自然消滅という感じかな。 卵巣が満足に働けない。働いたり働けなかったりするから、閉経に向かっているときはイレギュラーな月経になります。そしてとうとう卵巣がホルモンを作らなくなって排卵もしなくなる。その影響を受けて、赤ちゃんのベッドである子宮内膜はもう厚くならない。 厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちる、つまり出血することを月経というのだけど、もう厚くならないから月経もこない。だから、月経と直接関係してるのは子宮だと思われるけど、実は、月経は卵巣に依存してるわけです。ここ大事ね」
Q 手術して子宮を取った人は、その時点で月経がなくなる。これは閉経といえるのだろうか?
「だから、前で説明した通り、それは閉経とは言わないの。なぜなら、卵巣が働きをやめた時点を閉経というからです。つまり、正確には月経が止まることが閉経ではないということね。卵巣で決まるのだから、卵巣が働いていたらたぶんまだホルモンが出てるし、排卵もしてる。 『子宮を全摘して生理がないんだけど、おっぱいが張ります』っていう患者さんがいるけど、それはまさに卵巣からホルモンがまだ出てるから。閉経じゃないんです。 卵巣を取ったら? ひとつ残っていればまだ機能はあります。両方の卵巣を取ったら? それはもう“自然体じゃない”閉経。外科的に閉経したということになるんです」