閉経ってほんとは いつのこと? 「子宮を摘出したら閉経」は間違いだった!【我慢しないで快適に過ごす、閉経への道 ①】
Q 月経がしばらくこない人が、閉経が近いかどうか知る場合も検査でわかる?
「婦人科に行ったらいろいろわかります。内診したり血液検査したりして。月経が不順で困る、なんていうのも全部コントロールできるんですよ。 不妊治療でもやるAMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)という血液検査でも、閉経かどうかを予測することができます。卵巣に残っている卵子の数を測る検査です。残っている卵子の数が多ければ閉経はまだ先だけど、残り少なかったら閉経が近いことになるわけね。 女性はね、お腹の中にいる胎児のときにすでに卵子を持っているんです。胎児のときがいちばん多くて卵巣に300万~700万個もの卵子を持ってるの。卵子を持って生まれてくるんだけど、生まれてくる頃にはもう30万~200万個になってしまう。 思春期にはもっと減り、20代で10万個、30~40歳くらいだと3万個。卵子は月に1回、1個排卵されるから、1年に12個ね。だいたい15~50歳までに、12個×35年で400個以上排卵される計算。 一生で400個の卵しか出さないのになぜ3万個もあるかというと、1回1個排卵するたびにたくさんの卵子が消費されて、いちばんタイミングのいい子だけが排卵されるからです。 40歳くらいで3万個あった卵が、閉経が近づくにつれて5000個になっちゃう。その後も500個400個300個…と、ジリ貧になりながらもなんとかホルモンを作っているのが閉経前後。更年期ね。閉経したら卵子の数はゼロになっていく。だから検査で、卵巣に残っている卵子の数を測れば閉経の時期がだいたいわかるのです。 閉経とは、卵巣の中に卵子がもう残っていない状態ともいえますね」 月経の乱れがどうして起こるかもわかった。 次回からは、月経が不順で困る、なんてお悩みをどうコントロールできるのかについて伺っていく。
【教えてくれたのは】 松峯寿美さん 東峯婦人クリニック名誉院長。日本産婦人科学会専門医。医学博士。妊娠・出産はもちろん、思春期、更年期、老年の女性に寄り添い、40年以上診療を続けている。著書に『婦人科医が不安と疑問にやさしく答える 更年期の処方箋』(ナツメ社)、『50歳からの婦人科 こころとからだのセルフケア』(高橋書店)など多数 グラフ作成/小柳東子 取材・原文/蓮見則子