夢眠ねむやあのちゃんも訪れた、面白さひしめくサブカルチャーの聖地「中野ロープウェイ」
中野ロープウェイにアイドルが集まるようになったきっかけ
そして、満を持して2010年の6月に中野ロープウェイはオープン。イトウさんの狭いコミュニティーに向けた思いとは裏腹に、中野ロープウェイは早いスピードで認知度を高めていった。 現在も地下アイドルやインフルエンサーが多く来店しているが、どのような経緯があって今に至るのだろうか。 「元々、ねむちゃんとはでんぱ組.incに入る前から知り合いでした。 まだ世間的にはそんなに有名ではない頃に、半分冗談で『有名アイドルが来てくれました』と、遊びに来てくれるたびに写真を撮って SNS に投稿していたんです。 その後のねむちゃんは、あっという間に人気が出て、本当に有名になっていましたね」 中野ロープウェイの前でアイドルやインフルエンサーが写真を撮るのは、この店の名物だ。 しかし、この投稿も最初から狙っていたのではないというから驚いてしまう。さらに、こんなエピソードも聞かせてくれた。
「もちろん、最初から今のようにアイドルなんて来ないですし、お店の投稿もパロディーのつもりでやっていましたね。 ちょうど、オープン前の2009年ぐらいに、私立恵比寿中学の新メンバーのニックネームの募集で僕の案が採用されました。 お店をオープンする予定だったので、命名主なのにしばらくライブに行けないことを告げたら、その新メンバーのお母さんが『今度、あいかを連れてお店に行きますね!』と言ってくださって。 廣田あいかさんも、ねむちゃんと同様にどんどん人気になっていったので、僕の投稿を見てくれた人が訪れて、さらにお客さんが増えた感じですね」
また、中野ロープウェイと言えば、看板の犬を思い出す人も多いだろう。 かつては、あのちゃんもこの看板の前で写真を撮り、中野ロープウェイの看板は一躍有名になった。
そして、最近では「頂き女子りりちゃん」も、裁判の時にこの犬のスウェットを着ていて話題になったのも記憶に新しい。 中野ロープウェイの象徴となるロゴとビション・フリーゼ犬の看板は、イトウさんの友人がデザインしたという。看板をプリントしたTシャツも、中野ロープウェイの人気商品のひとつだ。 「実はこのTシャツを作ったのは、去年からです。看板をTシャツにしてほしいというリクエストは前からあったのですが、ちょっと恥ずかしくて。 初めてお客さんの声に応えたのがこのTシャツだと思います。コロナのとき、1年間お店ができなくて大変だったのですが、再稼働したときにお客さんがたくさん来てくれたことに対する感謝の気持ちが一番の理由ですね。 それまでは、お客さんの声はあんまり関係ないというか、自分がいいと思う商品を売るというスタイルを貫いていたのですが、この看板のTシャツは、初めてお客さんの要望に応えて作りました」