【迷惑行為?アーティストとしての表現?境界線はどこに⋯?】遂にアイドルも摘発「無許可の路上ライブ」は「グレーな文化」として容認すべきなのか
今年5月に新宿駅東南口で路上ライブをしていたアイドルグループの運営とメンバーが道路交通法違反の疑いで書類送検された。 以前より筆者は新宿駅南口近辺での路上ライブ問題に関して取材を続けていたが、ひとつ動きが見えてきた様相だ。 悪質な路上ライブに対しては警察当局が取り締まるという姿勢を見せたことは路上ライブを行うアーティストに対して大きく影響する。 そしてそれは路上ライブという「グレーである文化」が白黒はっきりとさせられるターニングポイントに来ているのかもしれない。 【写真で見る】「遂にアイドル摘発へ⋯」過熱する「路上ライブ」は取り締まるべきか?“事件”が起こった新宿駅東南口の“現場”
*この記事の前半:【遂にアイドル摘発】「路上ライブ」取り締まるべきか ■アーティストの表現の場としての路上 今回、新宿駅東南口(以下、東南口)で路上ライブを行っていたアイドルが書類送検されたことは大きなターニングポイントとなるだろう。 事実この報道後、東南口および新宿駅南口(以下、南口)で路上ライブを行うアーティストの数は、見た限りでは一時よりも減っている。 さらには報道後、南口で演奏していたアーティストが警察に任意同行される事態となった。
このとき、警察の任意同行に応じたアーティスト、Chapa didgeridooさん(以下、Chapaさん)に話を伺った。 Chapaさんは海外でも路上ライブを行うなど、路上も自身の音楽活動を表現する場所として位置づけているアーティストのひとりだ。 「新宿では4~5年前から路上ライブをやっているので、いつかこういう日が来るかも、とは覚悟はしていました。いつも注意に来る警察官の感じとは雰囲気が違っていたので本気なんだとすぐわかりました」
Chapaさんは事情聴取の後、反省しているということで厳重注意を受け解放されたが、その理由は道路交通法違反だったという。 「いつもとは違う」というのは、いつもであれば警察官1~2名が来て、その場で口頭注意を受け、撤収となるところ、今回は6~7名の警察官が来たという。 「容疑は15人くらいの人だかりが通行の妨げになったということで道路交通法違反だと言われました。もちろん反省しています。ただ、僕らから見ても酷いと思う路上アーティストはたくさんいます。特に楽器ではなくオケでやっている人たちが目立ち始めてからその傾向が強いですね」