【迷惑行為?アーティストとしての表現?境界線はどこに⋯?】遂にアイドルも摘発「無許可の路上ライブ」は「グレーな文化」として容認すべきなのか
もちろん、コロナ禍以前もそのようなものはいたが、迷惑行為は通報され、その場で路上ライブを行う皆が迷惑を被るわけで、ほとんどのアーティストは度をわきまえていた。 今回の一連の流れは、そんなルール無視の迷惑行為に対して、警察当局は「本気を出せば摘発できる」といったアーティストへの警告という側面が大きいと言える。 実際、報道後、南口では路上ライブの数も明らかに減っており、一定の効果はあったと言える。 では、今後、路上ライブはどうなっていくのだろうか。ルールを守れないものが増えれば、当然ルールは作られることになる。
■全国的に増える公認路上ライブ いま、路上ライブは「新たな動き」を見せている。それはストリートパフォーマンスを公認のものとし、地域活性化のために行うというものだ。 新宿であれば、歌舞伎町タワーの敷地内でストリートライブが行われており、多くのアーティストが申請のうえ、公認のパフォーマンスを行っている(歌舞伎町タワー「路上ライブ開放」は超画期的だ)。 ファンのみならず歌舞伎町を訪れる外国人観光客なども足を止め音楽を楽しむ姿が印象的だ。
また、千葉県は柏駅前のペデストリアンデッキでは昔から行われていた路上ライブを市と市民団体が連携してルールを作り公認のものとして行い「音楽の街かしわ」として盛り上げている(「路上ライブを公認!」“柏ルール”に学ぶ3つの視点) さらに公認というだけでなく、今年からは警察への道路使用許可も年間を通して取っており、登録アーティストは堂々とパフォーマンスを披露できることとなった。 そのほか、横須賀駅前や日本橋の地下歩道などでもイベントの形ではあるがストリートライブが行われるなど公認の動きが活発になってきている。
■公認化により、違法性が高くなる路上ライブ 公認で人気の場所、イベントには売れたい若手アーティストからの申し込みが殺到する。当然、すべてのアーティストが演奏できる場所もあればそうでない場所、イベントも多々ある。 ストリートで行われるイベント等に出られないアーティストも多く、そういった人たちはリスクを冒してでもやはり路上ライブを行い、自身の音楽をアピールしたいところだろう。 しかし、公認の場所が広がっているということは、逆に言えば「それ以外は完全に違法」という宣告がなされているのと同等と考えられる。