祖母から「タンスに入ってた」と、聖徳太子の5000円札をもらいました。聖徳太子って「1万円札」じゃないんですか? 偽札なのでしょうか…?
2024年7月に新紙幣が発行されました。新紙幣が発行されると、それまで使われていた紙幣は回収されて徐々に市場に出回らなくなります。そのため、自分が生まれる前あるいは物心がつくよりも前に発行されていた紙幣は、見慣れていないため、「偽札なのでは」と思わず疑ってしまうこともあるかもしれません。 昭和世代にとっては、「お札の顔といえば、聖徳太子」と結び付けられるほどなじみ深くても、平成以降の世代にとっては全く「ピン」とこないという人も多いでしょう。本記事では、そんな過去に流通していた「聖徳太子」の紙幣について解説していきます。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
聖徳太子のお札は何種類ある?
昭和に流通していた紙幣に詳しくない人でも、「聖徳太子」が紙幣の肖像画であったということは、なんとなく知っている人は多いのではないでしょうか。聖徳太子が肖像画として使われている紙幣といえば、「1万円札」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は多くの紙幣で聖徳太子の肖像画が採用されています。 聖徳太子が肖像画となっている紙幣は次の4種類です。 図表1
日本銀行 その他有効な銀行券・貨幣 をもとに筆者作成 「聖徳太子」の紙幣以降は、紙幣の額によって肖像画が変えられているので、紙幣の肖像画を見て「パッ」と紙幣の種類がわかるようになっています。現代の感覚からすると、同じ財布に聖徳太子の1万円札と5000円札と1000円札が入っていたら、いくらデザインが異なるとはいえ、間違えてしまうのではないかと思ってしまいますね。
聖徳太子の5000円札は今も使えるの?
紙幣は、たとえ発行が停止されても、法令に基づく特別な措置がとられない限り紙幣として無効になることはありません。「聖徳太子の1万円札」は、現代の「渋沢栄一の1万円札」と同じ1万円として使用することができます。ただし、自動販売機やセルフレジでは旧紙幣に対応していないこともあるので注意が必要です。 コンビニ大手のセブン-イレブンでは、2024年6月20日から、お会計セルフレジ・セルフレジ・釣銭機にて、1984年発行の紙幣が利用できなくなっています。つまり聖徳太子の1万円札と5000円札が使えないのはもちろん、福沢諭吉(裏にキジ2羽が印刷された物)の1万円札、新渡戸稲造の5000円札、夏目漱石の1000円札はこれらのレジでの使用はできないのです。 対面であれば、旧紙幣でも受け入れてくれるところもあります。ただし、若い世代では旧紙幣を見慣れておらず、レジで「本物か偽物か」の判断ができない場合は、断られるケースも考えられるでしょう。