阪神移籍も指揮官から“酷評”された捕手は? 巨人以外のFA選手で“大失敗”となった選手たち
阪神・大山悠輔は残留となったが、ソフトバンク・甲斐拓也などが目玉となっている今オフのFA戦線。昨季はFA補強を見合わせた巨人も今オフは積極的に動いている。これまで12球団トップの28人をFAで獲得した巨人だが、獲得数に比例して、野口茂樹、森福允彦、陽岱綱、野上亮磨、井納翔一ら失敗組も多い。そして、巨人以外の球団でも、FAが大失敗に終わった例は少なくない(金額はいずれも推定)。 【写真】「大失敗の補強」となった元阪神の投手はこちら 12球団中3位の12人をFAで獲得した阪神も失敗組が多い。移籍後、1試合も登板できなかった山沖之彦や在籍3年で通算8勝13敗に終わった星野伸之が代表格だが、近年では小林宏之と日高剛の名も挙がる。 ロッテ時代に通算74勝、29セーブを記録した小林は2010年オフ、メジャー移籍を目指してFA宣言したが、年が明けても、米球団から具体的な条件提示はなかった。そんな矢先の11年1月14日、藤川球児につなぐセットアッパー候補として阪神から獲得意思を伝えられると、「いろいろ悩んだけれど、選手として必要としてくれる球団で頑張るのが一番幸せ」と総額5億円の2年契約で合意した。 入団会見で「(8回に)走者を残して代わるのが、一番球児に迷惑がかかる。9回に球児が出てこれるように頑張る」と頼れるセットアッパーを目指した小林だったが、1年目は前半だけで6度救援に失敗するなど、1勝5敗21ホールド、防御率3.00に終わる。翌12年も阪急阪神ホールディングスの株主総会で、城島健司とともに“不良債権”と名指しされるなど、1軍登板のないまま、わずか2年でチームを去った。 阪神にとっては、人的補償で期待の若手内野手・高浜卓也を失ったことも併せて、大失敗の補強となった。 一方、日高は2008年に自己最多の134試合に出場するなど、長くオリックスの正捕手を務めてきたが、10年に就任した岡田彰布監督からリード面を酷評され、捕手失格の烙印を押されてしまう。翌11年はDHや一塁に回り、捕手としての出場は5試合だけ。翌12年も先発マスク23試合に終わると、出場機会を求めて海外FA権を行使。06年のオリックス監督時代に日高を正捕手で起用した阪神・中村勝広GMが「信頼して任せたら力を出す」と手を挙げ、捕手難が続くチーム事情も相まって、総額1億円の2年契約で合意した。