6光年先のバーナード星で太陽系外惑星が見つかる さらに3つの候補も
視線速度法・トランジット法・透過スペクトル
系外惑星の観測では「視線速度法(ドップラーシフト法)」および「トランジット法」という2つの手法が主に用いられています。 「視線速度法」とは、系外惑星の公転にともなって円を描くようにわずかに揺さぶられる主星の動きをもとに、系外惑星を間接的に検出する手法です。 惑星の公転にともなって主星が揺れ動くと、光の色は主星が地球に近付くように動く時は青っぽく、遠ざかるように動く時は赤っぽくといったように、周期的に変化します。こうした主星の色の変化は天体のスペクトル(波長ごとの電磁波の強さ)を得る分光観測を行うことで検出されています。視線速度法の観測データからは系外惑星の公転周期や最小質量を求めることができます。 もう一つの「トランジット法」とは、系外惑星が主星(恒星)の手前を横切る「トランジット(transit)」を起こした際に生じる主星の明るさのわずかな変化をもとに、系外惑星を間接的に検出する手法です。 繰り返し起きるトランジットを観測することで、その周期から系外惑星の公転周期を知ることができます。また、トランジット時の主星の光度曲線(時間の経過にあわせて変化する天体の光度を示した曲線)をもとに、系外惑星の直径や大気の有無といった情報を得ることも可能です。 また、系外惑星がトランジットを起こしている時の主星の光には、系外惑星の大気(存在する場合)を通過してきた光もわずかに含まれています。惑星の大気を通過してから届いた主星のスペクトルは「透過スペクトル」と呼ばれていて、系外惑星の大気に含まれる物質が特定の波長の電磁波を吸収したことで生じる暗い線「吸収線」が現れます。透過スペクトルを通常のスペクトルと比較すればどのような吸収線が現れているのかがわかるので、系外惑星の大気組成を調べることができます。 Source ESO - Scientists discover planet orbiting closest single star to our Sun González Hernández et al. - A sub-Earth-mass planet orbiting Barnard's star (Astronomy & Astrophysics)
sorae編集部