【時速194キロ死亡事故】初心者なのに「加速時の圧迫感に感動」と法廷で語った被告の元少年、なぜ親は放任した
■ 「いけないのは分かっていたが、欲望制御ができなかった」 驚いたのはその速度だけではありません。被告の口からは次のような言葉が何度も飛び出したのです。 「アクセル踏み込んでいったとき、エンジンやマフラーから音が出て、加速する感覚を楽しんだ」 「アクセルを床まで踏み込んでスピードを出すとき、ジェットコースターに乗っているのに近い、押し付けられるような圧迫感を感じ、感動した」 「スピード違反がいけないのは分かっていたが、多分自分は大丈夫だろうという気持ちがあり、欲望制御ができなかった」 「高速度にスリルを感じる。スリルというより自分の心の中にあるワクワクした気持ち……」 つまり、彼は超高速スピード違反の「常習者」で、本件事故で問題になった時速194キロという速度は、決してその場限りの「うっかり」ではなかったということです。数カ月にわたってこれほど悪質な行為を繰り返しながら、なぜ一度もスピード違反で検挙されなかったのか、その点には悔しさが残ります。 ちなみに、一般道で制限速度を30キロオ―バー、高速道路では40キロオーバーすると赤切符を切られて一発免停となり、罰金も取られますが、検察官から「一般道で何キロオーバーしたら免停になるか知っていますか?」と問われた被告は、けろっとした態度で「知らないです」と答えていました。 こうした被告の順法精神のなさは、他にも散見されました。たとえば、初心者マークは免許取得後1年間、車の前後につけなければなりませんが、BMWにはついていませんでした。理由は「かっこ悪いから」だそうです。 結局、7年ものローンを組んで入手したお気に入りの愛車は、購入後わずか40日で死亡事故を起こし、全損となりました。 子どもの頃から車が好きだったという被告は、法廷で遺族に謝罪をした後、こう述べました。 「今後、車の運転免許を取ることはありません」