【心理カウンセラー・中元日芽香(元乃木坂46)】推し活はリアルな仕事に生かせる?
中元日芽香さんは乃木坂46の元メンバーであり、現在は心理カウンセラー。この連載では、“推される側”を経験し、“推す側”のメンタルにも寄り添ってきた彼女ならではの視点で、推し活とメンタルヘルスの関係について語ります。今回のテーマは「推し活は仕事に生かせるか」。推し活をリアルな仕事に生かすこと、アイドルのセカンドキャリア、プロ意識について…中元さんの実体験をもとに深掘りします! 写真多数!中元日芽香さん(元乃木坂46)の着こなしをチェック
「仕事に推し活は生かせるか」
推し活がすっかり世間に定着し、社会的に認められている今、推し活を自分の仕事に生かす人も増えているようです。これまでの連載では「リアルな仕事や日常の息抜き」として推し活をとらえることが多かったので、今回はずばり「推し活は仕事に生かせるのか」というテーマについて考えていきましょう。 推し活はひとつの対象に情熱を傾ける経験。その人の仕事やリアルな人生にポジティブに作用することができると私は考えます。例えば、自分の推しの活動や作品に触れて自分自身の企画のアイディアが浮かぶ、ベースができる、というケースもよく目にします。例えばアーティストの場合、推しへの憧れがインスピレーションになって作品を作ることもあるのでは。実際に推しとセッションをして、プロとしての姿勢に影響を受けたというインタビューも読んだことがあります。推す側、推される側のリスペクトを感じて「ああ、こういうプロ同士の仕事って素敵だな」と刺激になりました。 推し活をきっかけにして自分のキャリアを切り拓く人もいます。乃木坂46に所属していたとき、服飾関係の学校に通う人や、アパレルの仕事をしている人が、アイドルのステージに興味を持って衣装の世界に飛び込んできたり、衣装提供のような形で関わってくださったりしました。プロの世界に飛び込む動機に「好き」があるって素敵です。 アイドルに限らずエンタメの世界には、見えている部分だけでなく裏で携わっている多くのプロがいます。ライブをしていて、そのプロフェッショナルの仕事ひとつひとつの集合体がこのステージなんだと実感することが多くありました。まだ10代でアイドルだった自分自身も、身近なプロフェッショナルな大人たちの仕事に触れて「そのステージに立てる人、そこにいてふさわしい人でいたい、成長しなければいけない」と思ったことを、よく覚えています。今考えると、私にプロとしての意識が芽生えた瞬間かもしれませんね。