【心理カウンセラー・中元日芽香(元乃木坂46)】推し活はリアルな仕事に生かせる?
芸能界から別の職業を選んだことで得られたもの、続いていくもの
さて、アイドルを卒業するとき、私は所属事務所を辞めるつもりでいました。この先やろうとしていることは芸能界とは全然違う業種です。「バックアップしてもらうことは難しいと思うので会社を離れます」と伝えました。すると当時のマネージャーさんは「事務所に残りながら、日芽香がやれることってあるんじゃない? 前例はないけれど一緒に考えていこう」と言ってくれました。会社としても、私が進むメンタルヘルスに関わる分野は、アイドルや芸能の世界にこそ必要だと考えてくれたようです。 あれから時間がたちましたが、私にとっては15歳で入った同じ居場所でステップアップしていけたことはとてもよかったと感じています。さまざまなメディアと距離が近いのは芸能事務所の強みだし、一方で、カウンセリングに関しては自分のやりたいようにと任せてもくれています。乃木坂46のグループが成長していくにつれ、卒業後に芸能活動だけではない分野で活躍するメンバーも少しずつ増えてきました。 グループの後輩たちも、アイドルのその先の進路を考えるときにさまざまなことを思うようです。「俳優になりたいわけじゃなくて…でも自分は何になりたいだろう?」とセカンドキャリアに悩むメンバーたちに「こんな道もあるし、まわりが誰も進んでないところにも道がきっとあるよ」と示せる、そんな先輩の一人でいられたらいいな、と考えています。 心理カウンセラー&メンタルトレーナー 中元日芽香 1996年4月13日生まれ、広島県出身。2011年からアイドルグループ・乃木坂46のメンバーとして活動し、2017年に卒業。早稲田大学で認知行動療法やカウンセリング学などを学び、2018年にカウンセリングサロン「モニカと私」を開設。心理カウンセラーとして活動を始め、今に至る。著書に『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』『なんでも聴くよ。中元日芽香のお悩みカウンセリングルーム』(共に文藝春秋)。現在、ポッドキャストサイトPodcastQRにて、パーソナリティを務める『中元日芽香の「な」』を配信中。 トップス¥59400/パハマン カチューシャ¥5500/エスストア(シー) 靴/スタイリスト私物 撮影/森川英里 ヘア&メイク/上野祐実 スタイリスト/高野麻子 画像デザイン/齋藤春香 取材・文/久保田梓美 企画・構成/木村美紀(yoi)