なぜ阪神はヤクルトの42歳左腕を攻略できなかったのか…6度目完封負けで球団最速20敗
阪神が23日、神宮で行われたヤクルト戦に0-1で敗れ早くも20敗目を喫した。完封負けは今季6度目で25試合目での20敗到達は1991年の27試合目を超えて球団最速。ついに6連勝の首位巨人とのゲーム差は13.5に開いた。ヤクルトの勝利投手は6回を3安打6奪三振無失点に抑えた42歳の石川雅規。史上3人目の新人から21年連続勝利を果たした。なぜ阪神はベテラン左腕を攻略できなかったのか。
1回一死満塁からロハス・ジュニア、小野寺が不発
神宮球場に4回に決勝ホームランを放った40歳のチームリーダー青木の絶叫が響く。 「みんな、ありがとう。めちゃめちゃうれしいです。石川じいさんのために頑張りました」 続いてお立ち台に上がったのが42歳の石川。 「なんとかウイニングボールを家族に持って帰りたいという思いがありました。さっき青木が“石川おじさん”と言いましたけども“青木おじさん”が打ってくれたんで僕も気合が入りました」 40代コンビのヒーローインタビューが行われている裏で、矢野監督は、送迎バスが待機してあるビジター用のクラブハウスで各社の代表取材に応じていた。 報道によると「打線が何とかせなあかん」と嘆いたという。 今季6試合目の完封負け。新外国人のウィルカーソンが、来日2度目となる先発でも6回途中まで青木に許した1号ソロだけに抑える好投。そのあとの中継ぎ陣も無失点に抑え、それぞれが完璧に役割を果たした。矢野監督が言うように敗因は打てなかったことに尽きる。 手も足も出なかったわけではない。 最大のチャンスは1回にあった。 石川の立ち上がりを攻めて一死から熊谷、佐藤が連打。一、二塁として大山の打席で、カウント2-2からの6球目にダブルスチールを仕掛けた。頭になかった盗塁にあわてた19歳の内山は、スローイングに移ろうとしてボールをこぼした。不穏な動きを察知した二塁の山田が牽制の動きをしていたが、キャリアの浅い内山の視野には入っていなかったのだろう。 大山が四球を選び、一死満塁として前日のゲームで3ランを打っているロハス・ジュニアである。甘く入ってきた134キロのストレートだった。だが、ロハスは右膝をつくほど体勢を崩した。力んでスイングがぶれてのキャッチャーファウルフライ。内、外と揺さぶられ、1球ごとにタイミングを変えてくる石川の投球術に幻惑された。ちなみにロハスは、右打席での打率は.154である。