「頭が悪いから」「もう年だから」は関係ない…「東大卒記憶王」が伝授する“物忘れ”の解決法
これは当然です。8歳(小学3年生)の子は約100カ月しか生きていません。8歳の子にとって、1カ月は人生の100分の1にあたります。2~3歳までの記憶はほとんどありませんから、体感の割合はもっと高いかもしれません。 では60歳の人ではどうでしょうか? 60歳時点で720カ月も生きており、その人にとっての1カ月は人生の720分の1です。8歳の子の7倍以上の長さを生きているので、体感での時間の速度は速く感じやすくなります。
生きている期間が長ければ、「体験した(インプットしている)情報量」も圧倒的に多くなります。そうなると、体験したこと自体は覚えていても、持っている情報量が膨大すぎて細かいことを思い出しにくくなるのです。 ■情報量の多さが記憶に影響する? 加えて、年を取ると日々の生活の中での出来事に新鮮さがなくなります。新鮮さがなくなると、体がその出来事に慣れてしまい、記憶をしなくなります。 家族や友人と一度しか行っていない旅行の道中での出来事は覚えていても、日々の通学や通勤の経路での出来事はほとんど記憶に残っていないと思います。これも行ったことのない場所でワクワクしながら歩いているのか、毎日の当たり前のこととして無意識に歩いているのかという違いです。
それ以外にも、昔と比べて現代は生活の中の情報量が格段に増えています。現代はインターネットが発達し、ニュースサイトやSNS、動画サイトなどを通して、さまざまな種類の情報が飛び交っています。 たった10年前と比較しても、流通している情報は膨大です。年齢や性別、自分の好みなどからAIが自動でコンテンツをおすすめしてくれるので、次から次へと見てしまいあっという間に時間が過ぎるだけでなく、知らず知らずのうちに膨大な量の情報をインプットしてしまっています。ドラマや音楽でも「間」や余韻を楽しめなくなってきている影響か、ショートドラマやイントロが非常に短い曲が増えているのです。