完敗した敵地メディアまで”リアル二刀流”大谷翔平を称賛「レンジャーズに”被害”をもたらすスーパースター」
さらに打撃については、「大谷は自分自身のことも大いに助けた。2回に打った二塁打はバットから打球速度113.8マイル(約183キロ)で放たれ、今シーズンチーム最多となる17打点、18打点目につながった。6回には三塁線上に完璧な先頭打者バントを転がした後に(この試合で)3得点の最後となる1得点を決めた」と評価。「これがこの日最後のチームへの貢献だった。ダグアウトに戻り、彼はマドン監督からお祝いの握手を受け、それから最後の4イニングをブルペン陣が失点なしで抑えるところをリラックスして見ていた」とレポートした。 本塁打数でリーグトップの投手の先発は1921年のベーブ・ルース以来、100年ぶりとなったことについても紹介。「大谷は不安定な先発もしっかりと立て直せること、今シーズンは最悪だった先発を最高のものに変えてみせることが可能なことを証明した」と称賛した。 一方、レンジャーズの地元のダラスモーニングニュース紙も「大谷を体験…レンジャーズに被害をもたらすエンゼルスのスーパースター」との見出しを取り大谷に白旗を上げた。 レンジャーズ先発のジョーダン・ライルズと大谷は、ともに立ち上がりに苦しんだが、大谷の修正力を評価した。 「レンジャーズは大谷のすべてを体験した。1回に彼は3ランを許し一人に死球を与えて暴投もした。彼は1回を投げ終えられないかもしれないようだった。29球を投げて18球がボールだった。だが、彼は改善した。1回を終えると、彼には手が出せなくなった。最後の打者14人のうち9人から三振を奪った。彼は2回に打者として二塁打を打つことで自分自身にもたらされたダメージをいくらか取り返した。彼は3打数2安打、1四球だった」 同紙は2回の打撃がターニングポイントだったと指摘し、大谷の「2回に自分自身で点を取れたことが大きかった。そこから新しいスタートのように感じた」とのコメントを紹介した。 また大谷は21日のレンジャーズ戦でも初回に3連続四球を与えて一死満塁のピンチを作っていたことから、レンジャーズのウッドワード監督も「明らかに大谷の1回は不安定で、彼はそれを我々に2度見せた」と指摘した上で、こう称賛した。 「今回は落ち着いて立て直したところは素晴らしかった。そして彼は打席でも何かしら役に立っている。やれないことが見当たらない」 記事は、「レンジャーズは、近代の野球史で最も魅力的な試みのひとつであり、チームとしては受け入れたくない一端を見せつけられた。大谷は二刀流選手としてエンゼルスが望んだことのすべてを見せ、それはレンジャーズの犠牲によってもたらされた」とまとめた。 オンラインメディアのジ・アスレチックは「大谷が投手として2018年以来の初勝利を得る」との見出しで1072日ぶりの勝利にフォーカスした。「自信を高められる投球だったことは確かだ。オフシーズンに彼が築き上げてきたものの多くは、通常の状態を取り戻しベーブ・ルース以来初となるフルシーズンを通じての二刀流選手になるためのものだった」と評価。「勝てなかった今季初登板も良かったが、自分自身を(打撃で)助け修正をしてみせた今回の登板は、さらに素晴らしいものだったかもしれない」と称賛した。 その上で、「彼は健康だ。この点は2018年に故障して以来最大の懸念となってきた。次のステップは、2020年に悲惨だった制球をどうするかという点。ここまでの数度の先発では難を逃れ続けてきた。彼はこの日も初回に苦労したが、その後はうまく形をつかめたようでイニングが進むごとにストライクゾーンで打者を攻めていった」と評価した。