首位を走る阪神の3連敗に見えた「4つの不安」…なぜ反撃すべき8回に近本、糸原に代打を送ったのか?
阪神が23日、甲子園球場で行われた横浜DeNA戦に1-7で完敗して3連敗を喫した。先発の藤浪晋太郎(27)が7四死球3失点と制球が定まらず、黄金ルーキーの佐藤輝明(22)が5回一死満塁でタイムリー“トンネル“をするなど昨年から課題だった守備のミスが失点につながった。疑問だったのはジェリー・サンズ(33)の”休養”と6点を追う8回に近本光司(26)、糸原健斗(28)の好調レギュラー陣に代打を送りベンチに引っ込めた采配。移動日なしの6連戦の4戦目で長いペナントレースの先を見据えての“積極的休養“だったのかもしれないが、せっかくのチームの勢いを止めることになりかねない危険なベンチの動き。8連勝の後の3連敗で2位の巨人とのゲーム差は「1」になった。
藤浪が7四死球で自滅
何があったというのか。また“昔“の藤浪に戻ってしまった。 ストライクが入らない。立ち上がりこそ3者凡退に抑えたが、2回に4番の佐野、ソト、宮崎に3者連続四球を与えて無死満塁とし神里の内野ゴロであっさりと先制点を与えた。 立ち直る気配はなく、3回には二死二塁から佐野にタイムリーツーベースを浴び、ソト、宮崎、神里にまたしても3連続四球。押し出しで3点目を献上してしまった。5回、先頭のオースティンに対して、ボールワンからの2球目のストレートが顔付近に抜け、次に投じた変化球もまた抜けて腰付近を直撃。藤浪はすぐさま帽子を脱ぎ、オースティンも冷静に一塁へ歩いたが、そこで交代を告げられた。 「序盤から投球のタイミングが合わず、情けないピッチングをしてしまった」 藤浪は初回からセットポジションで投げていた。制球を気にしたのか、ストレートの球速が140キロ台を示すボールも少なくなかった。 今季初黒星は完全な自滅である。 昨年まで7年間、1、2軍コーチとして阪神のユニホームを着ていた評論家の高代延博氏は、この日、サンテレビでゲスト解説を務めたが、藤浪の投球にクビをひねる。 「立ち上がりはストレートに力があった。だが、2回から突然、ボールがひっかかり、それを調整しようとして反対方向に抜けるという藤浪の悪いパターンが顔を出し修正がきかなくなった。横浜打線にソト、オースティンが揃い、意識過剰になって力んだのか。ワインドアップから目線を一度切って投げるという新投球フォームで、ぶれない形をつかみつつあったが、今日はバランスが悪かったのか最初からセットポジションだった。テイクバックも大きくなっていて投球フォームもおかしかった。デッドボールを当てたところで交代となったが、これでは、次の登板に悪いイメージが残ったままになるのでないか、と不安の残る降板になった」 これが横浜DeNA戦で浮き彫りになった一つ目の不安。 開幕投手に指名された藤浪の復調はチームの優勝を左右するポイントになるだけに、せっかく安定し始めていた制球が、また昔に戻ってしまった原因分析と対策が必要になる。