なぜ西武は6連敗を止めることができたのか…救世主はプロ2年目で初勝利の”ドラ7”上間永遠
長く苦しいトンネルを抜けた。2つの引き分けをはさんで6連敗の泥沼にあえいでいた西武が、メットライフドームにロッテを迎えた27日の4回戦で3-1の逆転勝ち。3度目の先発に臨んだ2年目右腕、20歳の上間永遠(うえま・とわ)が5回1失点で踏ん張って待望の一軍初勝利をあげた。 6回から継投策に入り、1イニングずつ4人の救援陣をつぎ込んで逃げ切った直後の第一声で、辻監督は粘り強く投げ続けた先発の上間に「連敗ストッパーだからね。大きいよ」と目を細めた。 「序盤でちょっとつかまるかな、と思ったけど。1点を取られた場面で、併殺打で切り抜けたところが一番大きかったんじゃないかな。非常によく投げたよね」 先制点を奪われたのは3回だった。一死から三塁線を破る二塁打を放ったロッテの9番・田村龍弘が、1番・荻野貴司のレフト前ヒットで生還。2番・マーティンもライト前ヒットで続いた一、三塁のピンチで、上間は得意のカットボールで3番・中村奨吾をピッチャーゴロ併殺に仕留めた。 初回は荻野にセンター前へ、2回には6番・角中勝也にライト前へヒットを許すなど、指揮官の目には上間のピッチングは「やっぱり苦しかったですよ」と映っていた。それでも最少失点で踏ん張れたのは、ロッテ打線に与えた四死球が「0」だったからだ。辻監督が再び目を細める。 「ストライクゾーンで勝負すれば、向こうが打ち損じる可能性もあるわけだからね。ロッテ打線も選球眼に長けているなかで、無条件で四球を出してランナーをためなかったところがよかった」 3連戦の初戦となる火曜日の先発は、2018年のドラフト1位右腕・松本航が開幕から担っていた。しかし、6日の楽天戦で5四球、13日の日本ハム戦では6四死球を献上する独り相撲を演じて連敗。20日のオリックス戦から好調を維持してきた上間と入れ替えられた。 自分の性格を「マイペース」と、セールスポイントを「どんな場面にも動じない強気なピッチング」と、そして座右の銘を「我が道を行く」と公言する沖縄県生まれの上間は、あどけなさがまだ残る童顔とは対照的な、威風堂々としたマウンドさばきを見せ続けて首脳陣の期待に応えた。 「チームが連敗していたことについては、自分の性格的にもあまり気にならない方なので。とにかく自分のピッチングに集中してゼロに抑えようと思って、今日はマウンドに上がりました」