私大の5割強が定員割れでも日本社会に根付く「学歴至上主義」…もはや「4大卒」はブランドでもなんでもない
「高卒・短大→寿退社→専業主婦」ルートの崩壊
とはいえ、「大学進学者数」に目を向けてみると、ここ数十年で減っているどころか徐々に増えていることがわかります。 子供の数が減っているのにしばらく大学進学者数が伸び続けていた理由は、ズバリ「女子進学率の大幅上昇」です。 男女共同参画社会に向けて男女雇用機会均等法が施行され、1990年代半ば以降、女性も学歴をつけて男性と対等に働こうという流れが加速しだしたのです。 こうした流れを受けて、短大で家政学や文学などを学んでいた学生が、四年制大学に進むケースが増え始めました。短大はそこから約25年で250校以上減少し、その分だけ女子の四年制大学進学者が増加しました。以前は男子学生がメインであった社会科学系、理工系などの分野においても、女子学生数の上昇が目立ち始めました。 つまり、ここ数十年は同世代人口の減少を女子の大学進学率の増加によって補い、「見かけの大学進学者数」を保ってきたという実情があります。 ただ、現在では男女で大学進学率にほとんど差がなくなってきており、大学進学率はこのまま頭打ちとなり、受験者数は同世代人口の減少に対応して減っていくはずです。今後、定員割れとなる大学はみるみる増えていくことが予想されます。 実際、近年ではボーダーフリーで名前を書けば入れるとも言われる「Fランク大学」の増加が問題視されるようになってきています。大学に入ること自体は誰でも可能となり、昭和の時代に重宝されていた「四大ブランド」はすっかり威光をなくしてしまったのです。 その結果、現在はなんと私立大学の5割強が定員割れという由々しき事態が起こっています。
「四大卒」だけではもはや価値はない
いまだに日本人の学歴信仰は根強いですが、昭和の時代と比較するといくらか弱まっているように見受けられます。その理由として、日本社会が必ずしも学歴があれば報われる社会とは言えなくなってきているという背景があります。 1960年代の高度経済成長期には、一度大企業に入社さえしてしまえば、終身雇用制のもとで事実上一生安泰という状況になっていました。そのため、良い企業に「就社」するための切符としての「学歴」が重要視されることになっていたのです。 しかし、1990年代以降にバブル崩壊、リーマンショックなどを経験したことで、高学歴になって大企業に入れば将来安泰とは言っていられなくなりました。欧米のような成果主義・能力主義型の企業も増え、学歴にあぐらを掻いて窓際社員を謳歌していれば、年収1000万円が確約されていた時代は過去のものになろうとしています。 それこそ、以前は「四大卒」というだけでブランドになったところが、現在ではボーダーフリーの「Fランク大学」が乱立する事態となり、四年制大学を卒業したというだけでは全く価値を見出せない時代になってしまいました。むしろ、一定のライン以下の四大に行くくらいなら、高校卒業後そのまま社会に出たり、専門学校などで簿記やプログラミング等を学んで手に職をつけたりした方が良いのではないかと感じます。
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