493gで生まれ「生きられないかもしれない」と言われた息子は6歳に。もしもの不安は今もぬぐえない、それでも親としてできることを【小さく生まれた赤ちゃん体験談】
一度は幼稚園に入園するも、保育園へ転園
奏明くんが生まれたのは、もともとの予定日だった7月よりより4カ月早い3月末でした。奏明くんは3歳を迎えてすぐの4月に幼稚園の年少クラスに入園しましたが、同じ学齢の子に比べれば体も小さく、できることにも差があり、なかなか思うように園生活が送れませんでした。 「その幼稚園には2歳のプレ保育にも親子で通い、奏明が小さく生まれたことや、発達がゆっくりなこと、療育に通っていることを話しました。幼稚園側もそれを理解したうえで受け入れてもらえたと思っていました。ところが、年少に入園してまもない5月の運動会の練習のころから『奏明くん1人に教員がついてサポートすることは難しい』と言われてしまったんです。何度も話し合いましたが、園の教育方針にも違和感を覚え、保育園への転園を考えるように。 そこから奏明の保育園探しと、同時に私のフルタイムの仕事を探し始めました。運よく、私は時間にある程度融通がつく仕事が見つかり、奏明の保育園も決まりました。奏明は保育園でお友だちもたくさんできて、今も楽しく過ごしています」(恵さん)
小学校入学にあたり、1年の就学猶予を受けることに
奏明くんは現在6歳。生まれ月で数えれば小学校1年生の年齢ですが、1年の就学猶予を受けて、今は2年目の保育園年長クラスを過ごしています。就学猶予とは発育不全や病気などを理由に、主に小学校に上がる年を1年遅らせることができる制度です。この制度のうち低出生体重児等で教育委員会が適当と判断する場合は就学猶予の対象になっているため、恵さんは住んでいる自治体の教育委員会とやり取りを重ね、この制度を利用しました。 「6歳を過ぎた今、奏明はまだ言葉を発しません。けれど、大人の言うことや指示の理解はできるので、コミュニケーションは取れています。私の知人に勝手にビデオ通話をかけて、気づいたら知人と奏明がおしゃべりしている、ということもよくあります(笑) また、奏明は現在もリハビリ、療育、フォローアップ外来などに通うほか、毎月、耳鼻科、眼科、内分泌科、神経内科と整形外科など、月に1~2回、いろんな科をはしごするようにして病院に通っています。年齢が上がるごとに成長して、通院する間隔もあいてきました。 それでもまだ体調を崩しやすいこともあるし、小学校のクラスでお友だちと一緒に勉強するには、体力面でももう少し成長してからがいいと考え、就学猶予の制度を利用しました。奏明は保育園のお友だちと一緒にのびのび生活しています」(恵さん)