493gで生まれ「生きられないかもしれない」と言われた息子は6歳に。もしもの不安は今もぬぐえない、それでも親としてできることを【小さく生まれた赤ちゃん体験談】
療育を受けてから親子関係がスムーズに
奏明くんは小さく生まれたために、成長や発達がゆっくりです。そのため恵さんはなるべく早い段階から、奏明くんにリハビリや療育を受けさせてあげたいと考えていました。 「奏明が1歳半ごろに発達検査を受けて、医師から『発達がゆっくりだね』と言われましたが、リハビリや療育については『まだ小さいから様子を見ましょう』とのことでした。だけど、親として何かできることをやってあげたいと思い、主治医に何度も何度も相談して、1歳半を過ぎたころから療育を受けさせてもらえることになりました。 実際に療育を受けてみてわかったのは、専門家と子どもとのやり取りをそばで見ているだけでも自分も知識を得ることができるということ。わが家でもこんなふうに遊んでみようかな、こんな言葉かけだとわかりやすいかな、と親子のコミュニケーションにも役立てることができます」(恵さん) とくに、奏明くんの様子が穏やかになり、親子のコミュニケーションがスムーズになったことが大きな変化でした。 「奏明は、大人の言うことは理解できるのですが発語がないので、療育では絵カードを使っていたんです。おにぎりが食べたいときはおにぎりの絵カードを探して見せる、というように。でもしだいに絵カードではたりなくなってきたので、療育の先生の提案でマカトンサイン(手指による動作表現)を使ってみることに。マカトンサインならいちいち絵カードを探さなくていいし、伝えたいことをすぐ伝えられるし、私もすぐに理解してあげられます。以前は、思いが伝わらずにかんしゃくを起こすこともあったけれど、それがすっかりなくなりました。療育を受けたことで親子の生活がスムーズになって、関係性が築けるようになったと思います。 また、小さく生まれた赤ちゃんは偏食になりやすいと聞いたので、生後7カ月ごろからお口のマッサージもしました。奏明の口の中に私の指を入れて、ほっぺの内側や唇のところをマッサージするんです。それがよかったのか、今は偏食はほとんどないくらいによくごはんを食べるようになりました」(恵さん)