よかれと思った「熱湯消毒」でリスク増!?意外とやりがちだけど、じつは食中毒の危険性が高い行為
気温が上がってくると心配になるのが食中毒。衛生面に気をつけて料理をしているつもりでも、日頃よくやりがちな行動の中に意外な落とし穴があることも。 【画像】よかれと思った「熱湯消毒」でリスク増!?意外とやりがちだけど、じつは食中毒の危険性が高い行為 そこで今回は、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、食中毒の危険を招きかねない料理中の注意点についてお伺いしました。
危険な行為1:生肉を調理前に洗う
料理をする前の食材は何でも「洗った方がキレイになるし、衛生的でしょ」と思うかもしれませんが、生肉を洗うのはNG。スーパーや精肉店などで購入する肉は、すでに衛生的に処理されており、汚れや菌を落とすために洗う必要はありません。 洗うことで旨み成分まで流出してしまう可能性があるうえに、肉の表面についた食中毒菌がシンクやワークトップなどに飛び散り、ほかの食材や調理器具を汚染してしまうことがあります。 特に鶏肉は、カンピロバクターという食中毒菌を保有していることが多いです。少ない細菌数でも腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの食中毒を引き起こすことで知られており、カンピロバクターを原因とする食中毒は、近年発生件数が最も多い細菌性食中毒となっているため(※)、十分に注意する必要があります。生肉からのドリップ(赤い汁)が気になるときには、キッチンペーパー等で拭き取るようにしましょう。
危険な行為2:肉や魚を切ったまな板を熱湯で流す
前の項目でお伝えしたとおり、生肉には食中毒菌が付着していることがあります。その肉を切ったあとのまな板にも食中毒菌がつくことがあるため、その都度しっかりと洗ったり、肉や魚と、野菜はまな板を変えたほうがいいということはご存じの方も多いことでしょう。 ただし、もうひとつ注意してほしいのが、肉や魚を切ったあとすぐのまな板に熱湯を流しかけることです。 肉や魚のたんぱく質は、60℃以上の熱で固まります。切った直後のまな板に熱湯をかけると、その表面でたんぱく質が固まってしまい、汚れを頑固にしてしまうことも。まな板の傷の中に、固まったたんぱく質が残ると、食中毒やカビ、黒ずみなどの原因になります。 また、食中毒菌の多くは75℃以上、1分の加熱で死滅するといわれていますが、まな板に熱湯を流しかけるだけでは、上手くかからない部分があったり、すぐに温度が下がってしまって十分な効果が得られなかったりと、菌を完全には取り除けないことも考えられます。 肉や魚を切ったあとのまな板は、中性洗剤とスポンジやたわしを使ってしっかりと洗い、まずは水やぬるま湯で汚れを洗い流しましょう。そのあとで塩素系漂白剤やアルコール除菌スプレーなどを使って除菌してください。熱湯にも除菌効果はありますが、中途半端にかけるのではなく、たっぷりと全体に回しかけるようにしてください。