はやぶさ2最後のミッション JAXA会見(全文4完)きちんとミッション完了
測距信号を反映した分析はまだなのか
時事通信:それと測距信号の話なんですけど、今のデータではまだ測距信号を反映した分析っていうのはまだ終えてはいないという理解でよろしいでしょうか。 久保田:はい。 時事通信:1.25周ぐらいして降りたということなんですけど、これ、どの辺に降りたっていうのは推定はできるのか、またその測距信号でより詳しく分かることによって、もうちょっと、例えば軌道であるとか落下位置であるとか、どの辺が詳しく分かってくると期待できるでしょうか。 吉田:じゃあそこは私から回答させていただきます。私どもも本当どこに降りたかというのはもうぜひ知りたい情報の1つでございまして、これは本当データを子細に読み込んでいくしかないと思っておりますが、今現時点で言えますことは、分離されてリュウグウの周りを1周回って、日なた側で切り離して、真上で切り離してるんですが、1周回ってさらに4分の1回って、日なたから日陰にちょうど差し掛かるぐらいのタイミングで着地しているということが分かりますので、あとは自転周期の、リュウグウの自転のサイクルと照らし合わせれば、だいたいこのくらいかなと、これは経度方向ですけども推定はできると考えております。 ただ、まだそれは具体的には行っておりませんで、さまざまな得られてる情報に基づいて詳細に見ていけば、これはある程度の範囲で言えるのではないかと。それが分かり次第、またコンソーシアムのほうから発表、ご報告させていただければというふうに考えております。
だいたいのことが分かるデータはもう得られたか?
時事通信:それって、例えばリュウグウを離れる前のホームポジションとかから電波を受信することで、継続することで、もうちょっと詳しく分かるとかそういう話なのか、それとも、もう今あるデータでだいたいのことが、分析すれば分かるようなデータが得られてる? 吉田:はい。これは切り離されたのが日本時間の10月3日の0時57分ですが、そこからさまざまなデータが、撮像も無線もありますので、あと軌道推定チームの皆さんのいろいろな推定も、活動もございますので、それらを総合することによっていろいろ詳しいことを知ることはできるというふうに考えております。 吉川健人:あと、ちょっと補足させていただきたいんですけど、軌道推定の観点からは、どこに落ちたかというのはしっかり分かることができます。要は軌道ができてるので、線の小惑星とぶつかったところの座標をしっかり見ればどこに落ちたか、もちろん誤差は含まれてる範囲で分かります。現在は測距の情報は入っていなくて、カメラの画像だけでこの軌道を求めていますので、その測距の情報が入れば、もっと観測量が増えるので、より真実に近い軌道をわれわれが描くことができて、そこからどこに落ちたかっていうのは軌道推定側としてもやることができます。なので、ローバチーム側の解析と合わせて、どこに落ちたかというのは今後、議論をしていきたいと考えています。 時事通信:最後に1つだけ、リュウグウをいつ離れるかという議論の検討のところなんですけれども、やり残したことがないかという話があったと思うんですが、何か具体的に、これ最後やれるんじゃないかっていうのが出ていて、それの成否を検討しているのか、それともまだ、もう何日かしばらくあるので最後、本当にできることがないかを探している状態なのか、どっちになるんでしょうか。 久保田:まず大きなイベントというのは、もうすでに全て完了しておりまして、最後、確認の意味での時間を取っているというふうにご理解いただいて、何か追加でやるということはないです。 司会:では次の方。じゃあ後ろの方。