はやぶさ2最後のミッション JAXA会見(全文4完)きちんとミッション完了
今回の成果の意義は?
産経新聞:産経新聞の【クサカ 00:53:11】ですけれども、今回の取り組みによって小天体の重力を精密に測ることができたし、その手法を確立したという意義があるかと、お話を伺って認識したんですが、それが今後の小天体の理解とか、理学的にはそうでしょうし、あるいは今後の将来の、小惑星を含めた小天体の将来の探査にどういう効果が期待できるのかというのを、要は理学、工学、両方の側面から今回の成果がどういう意義があるのかということをちょっと分かりやすくといいましょうか、書きやすくといいましょうか、ちょっと教えていただきたいんですけど。 久保田:工学から先に言いますと、小惑星っていうのはご承知のとおり非常にいびつといいますか、変な形をしている天体で、ここに周回するというのは結構大変なんですね。特に小さい天体ではなおさら周回させるっていうのは難しいんですけども、周回させることによって、例えば密度が均一だったのか、不均一性も分かるとかいろんなことがありますし、高い高度から分離するっていうことで着地までいけたということは今後の将来ミッションにとっては、分離して周回させつつ着地させるっていう観点ではリスクの少ない運用っていうのもできますので、工学的にはかなりの成果が得られたと思いますし、そういうダイナミクス、天体の周りを回るものに対する科学っていう観点でも十分に工学的には得られたというふうに考えてます。サイエンスについては吉川先生から。 吉川真:サイエンスですけれども、リュウグウという天体はこれまでの検討で空隙率が50%以上という値になっているんですね。表面は見たところ岩石で覆われてるわけですけれども、内部的には空洞があるかもしれないという、この小惑星の構造をもう少し詳しく理解したいという、こういう要望があって、今回の重力場の測定で内部の物質の不均一性が分かると、これは小惑星の構造推定につながりますので、科学的にも小惑星の起源、形成過程を見る上でも重要なデータになると思ってます。