久保建英のセビージャ移籍は破談…仏専門誌に語った本音とは「目標はレアル・マドリードでのプレーだと常に言っている」
ただ、クラブ創立100年となる来シーズンにおいて、本拠地エル・サダールも改修されたメモリアルイヤーの中心選手として、久保を迎え入れたいとオサスナは望んでいる。マジョルカを上回るプレー時間と経験を積ませる青写真を描く、レアル・マドリード側にも魅力的に映っているという。 他にも来シーズンのUEFAヨーロッパリーグの出場権を得たレアル・ソシエダ、昇格組ながら7位に躍進してUEFAヨーロッパリーグの予備予選に挑むグラナダCFに加えて、元ブラジル代表の怪物ロナウドが会長を務めるレアル・バリャドリッド、元日本代表FW岡崎慎司を擁してラ・リーガ2部優勝と1部昇格を決めたSDウエスカなど、スペイン国内だけでも数多くの候補が報じられている。 スペイン以外でもチャンピオンズリーグに出場するオランダの強豪、アヤックスが争奪戦に加わったとも報じられたが、久保自身は『フランス・フットボール』に対してこんな言葉も残している。 「世界最高のリーグのひとつでサッカーができることが、本当に好きなんです。あなたも見ていて、それを感じますよね」 チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに挑むのも魅力だが、軸足はあくまでもFCバルセロナの下部組織に所属し、心技体を磨いた十代前半から憧憬の思いを抱いてきたラ・リーガ1部に置く。そして、新天地がどこに決まっても、久保が視線を定める場所は変わらない。 「僕の夢は最高の選手の一人になることであり、それを達成するために努力を積み重ねています。そして、目標はレアル・マドリードでプレーすることだと常に言ってきました。これから先に何が起こるかはわかりませんけど、それでも日々ベストを尽くしながら頑張っていきます」 壮大な夢をかなえるための手段としてレアル・マドリードへの復帰だけでなく、世界中から猛者が集う最強軍団で活躍することを、久保は『フランス・フットボール』に語っている。濃密な時間を共有したマジョルカでの日々へ「僕を選手として、人間としても成長させてくれた」と心から感謝しながら、間もなく幕を開ける新天地での挑戦へ、つかの間のオフで体を休めながら英気を養っていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)