久保建英のレアル復帰可能性は本当にないのか?
ラ・リーガ1部で降格圏となる19位にあえぐRCDマジョルカで、代役の効かない存在感を放っている日本代表MF久保建英の去就をめぐって、スペイン国内の報道がかまびすしさを増している。 今シーズンが開幕した直後の昨年8月下旬にレアル・マドリードから期限付き移籍した久保は、36節を終えた段階で33試合に出場。新型コロナウイルスによる約3カ月間の中断期間をはさんで12試合連続で先発として名前を連ねるなど、右サイドハーフとして4ゴール4アシストを記録している。 マジョルカとの契約が今シーズンいっぱいで満了を迎えるなかで、スペイン国内で2番目に発行部数が多いスポーツ紙『アス』や、レアル・マドリードの専門メディア『Defensa Central』が現地時間13日(日本時間14日)に、来シーズンも引き続き期限付き移籍すると相次いで報じた。 マジョルカでの奮闘ぶりをスペイン国内のメディアも高く評価しているなかで、レアル・マドリードへ復帰する可能性は本当にないのか。 再開後に破竹の9連勝をマークし、3シーズンぶり34度目のリーグ優勝へ王手をかけているレアル・マドリードへ戻る上で、避けては通れない問題が存在する。 それは各クラブに「3」を上限として与えられている、EU(ヨーロッパ連合)圏外枠の関係となる。今シーズンのレアル・マドリードは22歳のDFエデル・ミリトン、20歳のFWヴィニシウス・ジュニオール、19歳のFWロドリゴ・ゴエスのブラジル代表トリオにEU圏外枠を使っている。 このEU圏外枠に空きが生じない限り、たとえレアル・マドリードへレンタルバックされたとしても居場所はない。必然的に3部リーグにあたるセグンダ・ディビシオンBに所属しているリザーブチーム、レアル・マドリード・カスティージャでのプレーを余儀なくされる。 FC東京から電撃移籍し、世界中を驚かせた昨夏の段階でも今シーズンをレアル・マドリード・カスティージャでプレーさせ、スペインへ適応させる青写真が一時は描かれていた。しかし、トップチームに帯同したプレシーズンで久保が見せた、物怖じしないパフォーマンスが状況を一変させた。 セグンダ・ディビシオンBを主戦場とするよりも、他のクラブへ期限付き移籍して、ラ・リーガ1部のレベルを体験させた方がいい――ジネディーヌ・ジダン監督をはじめとする首脳陣の評価が高まり、久保本人も希望した結果として、昇格組であるマジョルカが急きょ新天地に選ばれた。