輸入車が売れてない!? 逆境のフォルクスワーゲン、復活の鍵は次期「ゴルフ」にあり!
いま日本で売れている輸入車は何か。調査して明らかになったのは、カーマニアも納得のあのクルマ。しかし、輸入車の販売台数は右肩下がりで落ち込んでいるという。いったい、どんな事情があるのだろうか。 【画像】2024年上半期のモデル別売れたクルマは? ランキングをチェック!
これが輸入車の最新トレンド
いま売れている輸入車って何だろう。というよりいま輸入車って売れているのだろうか。 日本自動車輸入組合(JAIA)発表のデータによると、輸入車(日本メーカーの逆輸入を除く外国ブランド車)の販売は1996年の29万9409台から減少していき、リーマンショックの影響を受けた2009年にはそのおよそ半分の15万9143台まで落ち込んだ。2018年に30万8389台にまで回復したが2020年以降コロナ禍による半導体不足と値上げもあって減少、2023年は24万6735台という水準である。今年に入ると一気に円安が進み輸入車の価格はさらに上昇したため、1~7月の数字を見ると前年比92%と減少している。 このような状況の中で売れている車種は何か。2024年上半期のモデル別登録台数ランキングの1位はミニとなっている。ただしミニは複数の車型の合計となっているので、通常のミニだけでなくカントリーマン(クロスオーバー)、クラブマン(2024年生産中止)などの合計の数字なのである。 車型別の販売台数は発表されていないので正確なことはわからないが、車型まで考慮した場合、ミニは1位とは言えないのではないか。となると2位のフォルクスワーゲン・ゴルフが実質的な1位といって良いだろう。 ゴルフが1位という結果については誰もが納得すると思うが、ゴルフもかつてほど売れているわけではない。2014年には3万台を越えるゴルフが日本で売れたのだが、2023年は1万台強と3分の1の水準となっており、2024年上半期も4650台と年間1万台を割り込むペースである。 為替による値上げの影響も大きいが、最大の理由はフォルクスワーゲン自体の車種数の拡大だと思われる。T-CrossやT-RocといったコンパクトSUVも売れており、かつてのゴルフの需要の多くがそれらSUVに流れていると考えられるからだ。 同様の傾向はメルセデス・ベンツやBMWでも見られ、ブランドを代表する特定車種に需要が集中するということはもはやないのだろう(2024年上半期、もっとも売れたメルセデス・ベンツはGLCである。BMWは3シリーズが依然1位だが、もっとも売れていた時期の4分の1の水準である)。