新規患者数より「医療負荷の軽減が大事」 尾身会長“リバウンド”を懸念
政府は9日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会(会長・尾身茂氏)を開いた。その後、尾身会長が記者会見し、東京・大阪・愛知など10都府県を対象区域に発令中の「緊急事態宣言」の解除基準について問われ、「医療の負荷が取れるということが(新規感染者の)数より大事で、解除するときにはステージ2以下を目指し、なるべく低いレベルでなるべくリバウンド(感染者数が再び増加すること)を抑えるのが私は一番大事だと思って(いる)」と述べた。 【動画】西村担当相と尾身会長が会見 宣言解除後の“リバウンド”を懸念
会見では記者から「10都府県で、条件を満たす状況になってきたのか」と質問が上がった。これに対し、尾身会長は「数は重要ですね、ある程度数は重要。1000と100ではえらい違い、200と10でも違う。数は目安として重要だが、いま一番大事なのはやっぱり重症者、死亡者を早く減らして、医療の負荷を早くとるということ」と回答。 尾身会長は「ある1つの数を決めて、それに達成したら解除と言うようなことではなくて、数を参考にするけれども、医療への負荷がどうなっている、保健所がクラスターの対策が打てるよう(になる)。総合的な判断がものすごく重要だと思う」とも指摘。新規感染者数をどの水準まで落とせば良いのか、との問いに対しても、医療のひっ迫度合いや保健所業務の軽減などとの兼ね合いがあると話したうえで「いまは言わないということだと思うし、言えないと思う」と語った。