大阪府が「宣言」解除要請の見送り決定 吉村知事「もう少し抑えたいという思いもある」
大阪府が緊急事態宣言の解除要請の見送りを決定 吉村知事「もう少し抑えたいという思いもある」
大阪府は9日午後、府庁で「第37回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」を開いた。新規感染者の推移において、緊急事態宣言の解除を国に要請する府の独自基準を満たしたことを踏まえ、府の専門家会議の座長を務める朝野和典大阪大教授ら専門家も出席し議論した。その結果、医療提供体制が依然としてひっ迫していることなどから、解除要請を見送ることを決定。吉村洋文知事は来週、対策本部会議を再度開いて解除を要請するか判断する意向を示した。 【中継録画】大阪府がコロナ対策本部会議 独自基準で宣言の解除要請は?(2021年2月9日)
7日連続「1日300人以下」の独自基準は満たす
前回の会議では、3月7日まで延長された緊急事態宣言について、大阪府は「直近1週間の新規陽性者数が1日平均で300人以下となる日が7日間続いた場合」「重症病床の使用率が60%未満となる日が7日間続いた場合」に、専門家の意見を聞いた上で、国に解除を要請するという独自の判断基準を決定した。 このうち新規陽性者の数については今月8日に、7日連続で基準を達成。これを踏まえ、府は新型コロナ対策本部会議を開催し、協議を行った。
感染対策と経済活動の両立も「行政の重要な役割」
吉村知事は会議冒頭で「緊急事態宣言は大きな犠牲と副作用のもとで成り立っている制度ということを認識しなければならない。商売をなさっている方にとっては商売が成り立たなくなり、その方々には家族もおられます。行政としてもそこを支援するというのをやっていますが、税金ですべてをカバーし切れないとなれば、なんとか感染防止対策と社会経済活動の両立を行っていくというのも行政の重要な役割だと思っています」と語った。
医療提供体制は「ひっ迫している」と認識
そして「僕の認識としても爆発拡大は抑えてきているんじゃないかと思いますが、一方で医療提供体制はひっ迫しています。少しずつ改善はしていますが、ひっ迫している状況にあるというのを認識しなければならないと思います。きょうこの瞬間も防護服を着て命を救う活動をしてくださっている医療従事者の方がいるということも頭に入れて、その上でこの判断をしていかなければならないと思います」と続けた。