海外メディアも羽生結弦の4回転アクセル挑戦に注目報道「歴史に挑戦」「回転不足も着氷は成功させた」
フィギュアスケートの北京五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権の男子FSが26日、さいたまスーパーアリーナで行われ、五輪3連覇を狙う羽生結弦(27、ANA)が211.05点をマークする演技で合計322.36点として2年連続6度目の優勝を遂げた。羽生は成功すれば世界初となる4回転アクセルに挑んだ。着氷はしたものの回転不足と判定されてしまったが、海外メディアは、その挑戦を取り上げた。 また日本スケート連盟は、競技終了後に北京五輪代表選手を発表。男子シングルでは羽生、今大会2位で2018年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(24、トヨタ自動車)、同3位の鍵山優真(18、オリエンタルバイオ・星槎)が初の代表入り、女子シングルは、坂本花織(21、シスメックス)が2大会連続出場となり、大会2位の樋口新葉(20、明大)、同3位の河辺愛菜(17、木下アカデミー)が初選出。
着氷したが両足となり回転不足と判定
会場が固唾をのんで見守った。 「天と地と」の迫力ある序曲にあわせてスタートした羽生の冒頭ジャンプ。宣言通り、4回転アクセルに挑んだのだ。静かな踏み切りから高いジャンプ。中継したフジテレビのデータでは75センチの高さがあった。だが「ちょっと(回転が)抜けている」ため着氷を決めることができず両足になった。ギリギリまとめたかのように見えたが、ジャッジの判定は回転不足。3回転アクセル扱いとなり、世界初の快挙とはいかなかったが、大きな拍手で包まれた。 羽生は4回転アクセルのミスにも落ち着いていた。続く4回転サルコーに成功。出来栄え点が4.30も加点された。3回転アクセル+2回転トゥループのコンビネーションジャンプから、3回転ループ。 そして基礎点がアップする後半では、4回転+3回転の連続トゥループ。4回転トゥループ+シングルオイラー+3回転サルコーの3連続ジャンプもパーフェクトに決めた。このコンビネーションジャンプへの加点は4.48である。最後のジャンプは3回転アクセルの単独で、すべてのジャンプをミスなく決めて、北京五輪切符を手にした。 演技を終えた羽生は笑わなかった。何か思い出したかのように1度、2度、ニヤッとしたが、厳しい顔。長いスタンディングオベーションで祝福してくれたファンに「ありがとうございました」と挨拶してリンクを出たところでようやく表情が崩れた。 「正直、ほっとしています。なんか、ああ…。6分間練習から泣きそうで、あと何回こういう景色が見られるんだろうとか、今までのがんばってきたこととか、いろんなことを思い出して。朝の公式練習では(4回アクセルを)回さなくてもいいくらいだったんですが、かなり苦しかったのでホッとしています」