転倒してもフィギュア欧州選手権の表彰台独占のロシア3人娘に世界選手権で勝つ術はあるのだろうか、という考察
オーストリアのグラーツで開催されたフィギュアスケートの欧州選手権の女子シングルスは、またロシアのシニア転向1年目の3人娘の独断場となった。表彰台の真ん中に立ったのが、合計240.81を叩き出したアリョーナ・コストルナヤ(16)で初優勝。 「この大会で勝つチャンスがあるとは考えていませんでした。いいパフォーマンスを見せたかっただけです。驚いています」 先のロシア選手権ではアンナ・シェルバコワ(15)に敗れていたコストルナヤは、そのシェルバコワを振り切ってほっとした表情を浮かべていた。GPファイナルでマークした世界最高得点の247.59点には届かなかったが、国際試合では負けなしである。 2位はシェルバコワ、3位は合計225.34点のアレクサンドラ・トルソワ(15)だった。SPでは、コストルナヤがトップで84.92、シェルバコワ(が77.95で続き、トルソワは、冒頭で挑戦するはずのトリプルアクセルがダブルアクセルになり、しかもオーバーターンのミスを犯して74.95と出遅れた。 先のロシア選手権でもSPは、同じ順番だったが、フリーでコストルナヤが、小さなミスをすると4回転を3本中2本綺麗に着氷したシャルバコワが逆転優勝している。 今回、フリーでコストルナヤは冒頭でトリプルアクセル+2回転トゥループの連続ジャンプを成功させると、続く2本目のトリプルアクセルも決めた。演技後半の3回転ルッツで転倒したが、155.89点を叩き出した。SPで6.97点のハンデを背負ったシェルバコワは2種類の4回転を3本プログラムへ入れて逆転を狙った。冒頭の4回転ルッツ+3回転トゥループには成功したが、続く4回転フリップが回転不足、3つ目の4回転ルッツは転倒してしまった。それでもフリートップとなる159.81をマークしたが、合計で3.05点届かなかった。 演技構成点でコストルナヤに1.4点及ばず、4回転をミスしてしまったため、技術点でカバーできなかった。 トルソワは、4回転5本の超難易度の高いプログラムを用意していたそうだが、蓋を開けてみると、2種類の4回転3本の構成で、しかも2本で転倒。フリーが150.39点の計225.34点で3位に終わった。 3人は共に転倒したが、4位のアレクシア・パガニーニ(スイス)は、自己ベストを更新しながらも200点に届かない192.88点でレベルの違いを見せつけた。