田舎が嫌いだった少女が今は“自然の中で暮らす”JAZZシンガーに 田舎だからこそできる音楽を
子育ては絶対に田舎で
現在、木原さんは3人のお子さんを育てながら音楽活動を続けています。親の立場になると違う景色が見えるようです。 「子育ては田舎でしたいという思いを強く持っていました。子どもの頃は田舎の生活があんなにイヤだったのですが(笑)」 木原さんの思いが届き、お子さんたちは歌と共にのびのびと暮らしているとのこと。木原さんのFacebookでは、田舎での生活を楽しんでいる様子や指導している様子を垣間見ることができます。 木原さんが指導する『うたごえキッズ』には、息子さんも参加しているとのこと。
うたごえキッズではそれぞれが持っている声を大事に
うたごえキッズは2023年で10周年を迎え、記念イベントを開催しました。合唱コンクールなどを目標にするのではなく、楽しく唄うことがコンセプトです。 「一般的な合唱では声質を合わせることが多いと思うのですが、うたごえキッズでは声質を合わせることはしていません。私自身がJAZZシンガーということもあるのかもしれませんが、その子が持ってる声は大事にしてもらっています」 うたごえキッズは3歳から中学生までが参加し、現在は約50名の大所帯です。少子化で、なおかつ過疎化の進んでいる地域で50名の子どもたちが参加している団体は珍しいでしょう。 「地域的に子どもの数自体が少ないため、塾や習い事は人口の多い南の方へ行くことが当たり前になっている状況です。うたごえキッズでは南の方から来てくれる子どももたくさんいて、中には1時間以上かけて通ってくれている子どももいるので、身が引き締まります」 うたごえキッズに通っている子どもたちは、みんな楽しそうに唄います。親御さんからは「学校でイヤなことがあっても、うたごえキッズから帰ってくると、周りに音符が飛んでいるんです」と言われたこともあるそう。 音楽は人々にとって心のよりどころとなります。木原さんは、コロナ禍ですべての活動を中止せざるを得なかった経験を経て、確信を強めたと語ってくれました。そして、田舎だからこそできることもあると、語気を強めます。