29歳で目指した「絵本作家の夢」、なんと60歳で叶えた…!「還暦の新人」に聞く「大人になってからの『夢』の追い方・叶え方」
人生で経験してきたこと全てが夢につながっていた
「絵本を制作するにあたって、これまで出会ってきた人々、環境、経験が活きているなと今改めて思います。 60年の人生を振り返ってみると、ただただずっと絵を描いてきただけではなくて、例えば20代30代の頃は山登りにもハマって、隣県に出かけたり、夏休みには信州のほうまで足を延ばしました。30代からは地元の消防団に所属して活動してきましたし、畑仕事もしています。夢は変わらなかったけれど、その時々で興味を持ったことにも取り組んできました。 だから、今、夢を探している人、追いかけている人に僕がアドバイスできることがあるとしたら、その時々で、自分の心の声に従うって言うんかな、やりたいことをやっていけばいいんじゃないかなって思います。全部つながります。無駄にならへんと思います」 先日、みやもとさんがデビューするという噂を聞いた同級生からメールが届いた。 『おめでとう! 本当に自分がやりたいこと、実現した宮本君、ほんますごい! 何か勇気もらったわ~。還暦迎えて、この先何か、これってやりたいこともないし、なんとか生きていくんやろなって思ってたけど、何かわからんけど私も目標見つけよって思わせてくれたよ。嬉しい報告ありがとう』(一部を抜粋) 自由に使える時間が増える60代、夢や目標はこれから見つけたらいい。きっと見つかる。 実はみやもとさんも、「絵本作家になる」ことが夢ではない。 「絵本作家になることは、僕の夢のステージの入口にあったこと。目指すゴールはまだずっと先にあります。44歳で自分にスイッチを入れたときに立てた大きな夢のプラン。ブレることなくここまで向かってくることができたので、還暦はその通過点。これからも、年齢にとらわれず自分のペースで、死ぬまで夢のステージに立ち続けたいです」 みやもとかずあき プロフィール 和歌山県生まれ。第44回講談社絵本新人賞受賞。絵本作家を目指して30年、60歳にして、ついに本作で念願のデビューを果たす。男の子と女の子の双子育児の傍ら、『神戸ギャラリーヴィー絵話塾』で絵本制作を学んだ。受賞歴として、第38回日産童話と絵本のグランプリ絵本の部優秀賞、第3回安城市新美南吉絵本大賞入賞など。現在は地元でベビー子ども服店を営みながら、みかんや野菜を少々作っている。
小和野 薫子(ライター)