29歳で目指した「絵本作家の夢」、なんと60歳で叶えた…!「還暦の新人」に聞く「大人になってからの『夢』の追い方・叶え方」
第44回講談社絵本新人賞を受賞した、みやもとかずあきさん。絵本作家を志して30年、ついに受賞作『あおくんふくちゃん』(受賞時の作品名『福の神』から改題)が発売になり、60歳にして念願の絵本作家デビューを果たしました。 【写真】「還暦の新人」が「絵本作家」になるまで…! 10代の頃に絵を描くことを生業にしたいと考えながらもまったく違った仕事に就き、結婚し、子育て、地域貢献活動にも積極的に参加。そんな忙しい毎日の中でも、ずっと思い続けていた絵本作家になるという夢。還暦でのデビューまで「本当に長かった」実感はあるけれど、一度も夢を諦めたことはなかったと言います。長いあいだ夢を追い続けてこられた秘訣を伺いました。
50歳からの10年で変わったこと
令和の還暦は元気だ。 和歌山県に生まれた絵本作家のみやもとさんは、18歳で名古屋の専門学校に進学し、卒業後は地元に戻り子供服店を営んできた。今年は還暦を迎える年。退職したり、親の面倒をみるために地元に帰ってくる同級生も多く、集まって近況を報告する機会が増えたという。これまでの職場で嘱託として仕事を続ける人、思い切って違う職業に転職する人、市長選に立候補して地元の市長になった同級生もいる。還暦を迎えた今は、それぞれがもう自分の生き方に答えを出しているのか、人生相談も減り、お互いの近況を詳しく事情を聞き合うこともなく、ただただ楽しく飲み食いしているらしい。 「僕は定年がある仕事でもないし、60歳になったからといって、あらたまった感慨はなかった。同級生たちも想像していた還暦像以上に、みんな元気です」 だが、10年ほど前、同級生で集まっていた頃の雰囲気は違った。 「あー、仕事辞めたいなあって、皆んなよう言うてましたね。でも、結局、ほとんどの人が辞めなかった。仕事も子育ても一旦落ち着く50歳くらいが、自分の人生を振り返るタイミングなんですかね。やっぱり、ずっと同じ仕事をしていたら飽きてくることもあります。僕はそれがきたのがまわりよりも少し早くて45歳ぐらいだったかな、店の仕事飽きたなあ、辞めたいわってよう妻に愚痴っていました」 一緒に店を営む妻は接客業に生きがいを見出しており、そのおかげで続けてこられたと言う。 「まあ、他にすることもないので続けてきたと言ってもいいでしょう。愚痴を吐き出して、うまくガス抜きできたのが良かった」