アパレルブランド「REINA IBUKA」が紡ぐ、秩父の伝統工芸
若年層の方にも購入してもらえるアイテムをということで、少し前のイベントに合わせてパピヨン(フランス語で蝶)ブローチを作りました。 残布の秩父銘仙と秩父太織とフランスから持ち帰ったアンティークパーツで作っています。もともとパリでアップサイクル作品を作っていたので、本来こういうのはとても好きでいろいろできちゃうんです。 まずは小物から、ボウタイ、スカーフタイ、ネクタイ等を購入くださる方が多いです。小物アイテムから現在織られている伝統工芸に触れ魅力を感じてもらい、そこからより興味を広げ、洋服や、着物を仕立てたいと思ってもらえたらうれしいです。皆さんに身につけていただくことが伝統、風土を残す一助になります。
ーREINA IBUKAの今後の展開についても教えてください。 挑戦したいこと、やりたいことがたくさんあります。 美しいものは人生を豊かにすることをパリでは身近に感じていました。パリでは伝統が重んじられ上手に残っている気がします。日本にも魅力的な伝統工芸がたくさんあります。 その素晴らしさを広め守ることで、私ができることはほんの一部ですが、今も秩父に残る絹文化、養蚕、糸作り、草木染め、織りの伝統技術を基にアップデートして私なりにできるファッションとしてつなげていきたいと思っています。 ちょうど今、この夏に秩父で採った実で草木染めした絹糸で、オール秩父の作品のために秩父太織を織ってもらっています。また地元のジュエリーデザイナーに秩父太織の絹糸を使ったジュエリーの試作品を作ってもらい話を詰めているところで、その他にも新たな試みを考えているので、次の展示会を楽しみにしてもらえたらうれしいです。 2023年12月に「秩父銘仙」が国指定伝統的工芸品に指定されて10周年を迎え、より多くの方に秩父銘仙を活用いただくために秩父市の企画で秩父銘仙利活用奨励金制度が設けられました。それを利用して製品を購入くださった方もいらっしゃり、今後、より行政と連携をとれたら地域の魅力としてもっと発信していけるのではないかと思います。 2024年は秩父外での展示予定もあり、海外展開も視野に入れつつ、故郷と地球のことを考えバランスを大事にしていきたいです。