【ABC特集】「手取りで消費税込みで日給1万7000円くらいです。ガソリン代も個人負担」 Amazon宅配ドライバーの過酷な現実 “定額働かせ放題”に密着
「こんちわーアマゾンの配達です」 インターネットで注文し、モノが届く。その日常を、当たり前にしてくれているのが、宅配ドライバーです。彼らは日々、戦っています。 【徹底取材】アマゾン配達“過酷”な現場に密着…13時間で200件超の日も「定額働かせ放題ですね」・・・相次ぐ再配達にも苦悩 物流2024年問題その後【#ウラドリ】 (宅配ドライバーAさん)「なるべく再配達はしたくないです。“定額働かせ放題”ですね」 2024年夏に公開された大ヒット映画「ラストマイル」の題材にもなった、便利さと引き換えに生み出された膨大な荷物と宅配ドライバーの過酷な現実。宅配ドライバーのある1日を追いました。
■独自アプリで管理される「1時間に30個」 疲弊する宅配ドライバー
ある日の午前8時半。ネット通販大手「Amazon」の荷物を配達するAさん(50)の軽ワゴンの荷室はいっぱいになっていました。 (宅配ドライバーAさん)「これは朝の積み込み分で。また夕方、取りにいかないといけないです」 朝、配送センターで積み込んだ荷物は、99個。夕方からさらに、同じくらいの量を配るといいます。 (宅配ドライバーAさん)「遅いときにはセンターに戻るのが午後10時を過ぎたりだとか。そうなると厳しいですよね。遅い時間に行くのはご迷惑やと思うんですけど、荷物配りきれないとペナルティになるんです。未配っていって」 Aさんがこの日担当するのは、配送センターから車で40分ほどかかる、郊外の住宅地。配達ルートはすべて、Amazon独自のアプリが管理しています。自動音声に従って、目的地に向かいます。 (宅配ドライバーAさん)「この家は結構来ているところですね。月に3回か4回来ますね」
この日最初の荷物は「置き配指定」。在宅不在にかかわらず、依頼者が指定した場所に商品を届けるサービスです。外出で家を空けることが多い昼間の時間帯は「置き配」を利用する人が多いといいます。 (宅配ドライバーAさん)「玄関前ですけど、こうした道に面している場合はなるべく個人情報が見えないように、荷札を反対に向けて置かないと」 客とドライバーが直接対面しない「置き配」。だからこそ、細やかな配慮が求められます。 配達のルートだけでなく、配達のペースもAmazonで決められているといいます。その数は1時間で30個。 (宅配ドライバーAさん)「1時間に30個やったら1件あたり2分ですか。荷物探す時間、置く時間、処理する時間、その上で移動する時間も入ってるんです」
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