【ABC特集】「手取りで消費税込みで日給1万7000円くらいです。ガソリン代も個人負担」 Amazon宅配ドライバーの過酷な現実 “定額働かせ放題”に密着
Aさんら宅配ドライバーが恐れているという「数字」があります。 (宅配ドライバーAさん)「“初日配完率”って何か特殊な数字を出しているんでね。最初に再配達を含まない状態で、どれだけ配達できているかの率ですね。不在がゼロやったら100%になります」 「初日配完率」とは荷物が最初に配達される、つまり「初日」のタイミングで配達が完了した割合を数値化したもの。Aさんによると、「初日配完率」が低いドライバーは出勤日数を減らすなどのペナルティーが課されるといいます。そうなると当然収入が減ります。 (宅配ドライバーAさん)「(受取人が)電話に出ないっていうのが一番つらいですね。置き配不可で電話に出なかったら置いていけないじゃないですか?何時くらいに帰るかも分からないじゃないですか?空いてる時間があったら、またまわりますけど、それはそれでコストがかかるんでね。なんでもかんでもお客さんや、って思っとったら、そのサービスが維持されるかっていったら、難しいですよ」 Aさんはこの日、午前中の便だけで5件の「未配」を抱えました。配れなかった荷物は、後から別のドライバーが「再配達」することになります。
■荷物の山と格闘する日々…Aさんがいま思うことは
午後4時、配送センターで「午後便」の荷物をピックアップしてきました。最初の連絡では100個以上の荷物を引き受ける予定だったAさんですが、配送センターで20個ほど間引いてもらい、82個を担当することになりました。 (宅配ドライバーAさん)「80個あったら多いですよ。20くらい多いんじゃないですかね?適正なのが60個くらいだと思うんですけど」 午後は普段なら午前よりも荷物が少ないそうなんですが、この日はセール期間だったため多くなったのではと、Aさんは話します。
宅配ドライバー・Aさんが、いま思うことは・・・。 (宅配ドライバーAさん)「ここのウチなんでいつも不在なんや?とか。4階とか5階に住んでいるお客さんで、水モノ頼んどいて時間指定でいないとか。ドライバーも人間なんで、感情を持っています。なるべく再配達したくないです。それだけですね」 (『newsおかえり』2024年12月24日放送分より)
【関連記事】
- ▶家も金も、身寄りもいない…刑務所から出てきた81歳元覚せい剤密売人 「僕らが諦めたら終わり」再犯防ぐため立ち上がった元暴力団員の支援活動に密着【ABC特集】
- ▶さよなら”不夜城”「味園ビル」 裏なんばを照らす妖艶なネオン 昭和の香り残す2階バーエリア約40店「最後の冬」に密着 噂飛び交う”ビルの今後”は?【ABC特集】
- ▶「行くとこなかったら死ななあかん」「けんもほろろに断られる」住む家が借りられない高齢者 深刻化する“貸し渋り”の実態<前編>【ABC特集】
- ▶商店街や公園でベンチや柱を破壊 “迷惑スケーター”を直撃取材 「なぜ禁止エリアで」若者たちの言い分は【ABC特集】
- ▶「元の身体に戻して」終わりの見えない健康被害…小林製薬“紅麹サプリ”問題 補償の実態は【ABC特集】