ベガスでの走りを見ただろう? フェラーリ、来季加入ハミルトンの“衰え”発言を「全く心配していない」
フェラーリでチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、陣営加入を前にメルセデスで苦戦を強いられ自信を失うルイス・ハミルトンについて、本来のスピードについては全く心配していないと語った。 【動画】アイルトン・セナの”愛機”マクラーレン・ホンダMP4/5Bがインテルラゴスを駆ける。ドライバーはハミルトン ハミルトンはメルセデス所属最終年となる2024年、チームメイトのジョージ・ラッセル同様、今季マシンW15からコンスタントにペースを引き出すことに苦労してきた。 そしてカタールGPでハミルトンはスタートでフライングを喫しただけでなく、パンクやピットレーンでのスピード違反によるドライブスルーペナルティを受けるなど、まさに“泣きっ面に蜂”状態に。リタイアが相次ぐレースだったにも関わらず12位とポイントすら獲得できなかった。 ハミルトンは、説明のつかない理由で状況が上手くいかないことを認め、現状では単にパフォーマンスがないと考えていた。カタールGP初日には、眉をひそめながら「僕は間違いなく、もう速くない」と吐露したほどだ。 そんなハミルトンは今年限りでメルセデスを離れ、来季からはフェラーリで新たな章を始めることになる。しかし、フェラーリとしては何も心配することはないという。 長年ハミルトンを知るフェラーリのバスール代表は、10番手から2位フィニッシュを果たしたラスベガスGPのようなパフォーマンスが、その実力を際立たせているとの考えを示した。 ハミルトンの発言を心配しているかと訊かれたバスール代表は、次のように答えた。 「全く心配していない。彼がラスベガスで走った50周を見てほしい」 「10番手からスタートして、ラッセルの真後ろでのフィニッシュ。全く心配していないよ」 ■メルセデスからの旅立ち ハミルトンは今週末、2013年から所属してきたメルセデスでの最後のレースをアブダビGPで迎える。メルセデス製のエンジン/パワーユニット搭載マシンという面では、マクラーレンからF1デビューを果たした2007年から18年が経過……感動的な見送りが行なわれることは間違いない。 現状では結果を出すことが難しいかもしれないが、メルセデスのトト・ウルフ代表は、これまで共にタイトルを獲得してきた成功の日々を損なうことはないと考えている。 ハミルトンが離脱すると知った上で迎えた2024年シーズンについて、ウルフ代表は次のように語った。 「正直なところ、ルイスもチームも、我々全員が一丸となって、いい仕事をしてきたと思う」 「シーズン初めに彼が離脱の決断をした時、この先1年は波乱の年になることが分かっていたし、それはごく普通のことだ」 「彼は自身が別のところへ行くことを知っている。我々も自分たちの未来がキミ(後任のアンドレア・キミ・アントネッリ)と共にあることは分かっているし、浮き沈みを経験しながらも、我々の関係を維持することができた」 「今は非常に悪いレースを目の当たりにしている。彼が包み隠さず気持ちをあらわにしているのは明らかだ。自分の感情を表現することは間違いなく問題ない。OKだよ」 「しかし8回のコンストラクターズタイトルと6回のドライバーズタイトルを獲得した12年間が奪われることはない。これは記憶に残るモノだ」 「次の日曜日には、特に悪いレースを経験したシーズンよりも、この素晴らしい時期を振り返ることになるだろう。我々の心にはいい思い出が残るだろう」
Jonathan Noble