円安阻止へ日銀は利上げするべきなのか?
「140円」を超えたら日銀は動くのか?
円安を止めるために日銀は緩和的な金融政策を修正すべきだ、という指摘については確かにそれも一理あるとは思います。しかしながら、黒田総裁も指摘するように、マイナス金利を撤回した(7月21日にECB(欧州中銀)が中銀預金金利を0.5%ポイント引き上げて0%とした)ユーロですら、一時1ユーロが1ドルを割り込むという通貨安に直面している現状があります。 これらを踏まえれば、日銀が金利を引き上げたところで円安のトレンドが変化すると考えるのは無理があるように思えます。一部の市場関係者は「1ドルが140円を超えたら日銀は金融政策を修正する」といった見方をしているようですが、筆者は為替対応で日銀が動く可能性は極めて低いと考えています。円安による輸入物価上昇に対しては金融政策以外の手段を用いて対処するのが適切であると思われます。
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